失ったモノ、得た力4 ページ14
「…Aさんは」
沈黙の中、レオナルドが口を開く。
「Aさんは気持ち悪くなんてないですよ」
『…おーおー随分ハッキリと言ってくれんじゃねーか、レオナルドよぉ』
「いや、真面目な話っすよ。アンタが振ったんですから」
『それもそうだった。あっはっは…いてて』
軽く笑ったが、そのせいで骨がまた傷んだ。
レオナルドが立ち上がって俺の背中を軽く擦る。
「ほらもぉぉ言ったそばから自分で傷抉ってるじゃないすかぁぁ」
『抉ってねーし。痛いだけだし』
「強がりは良くないっすよ」
そして横に寝るように促したけど、俺は首を横に振って否定した。
「意固地…」
『うるせー』
べちんとレオナルドの額にデコピンをお見舞いしてやった。
いっで?!とレオナルドは叫び、額を抑えた。
俺がけらけらと笑っているとこほん、とクラウスさんが咳払いをする。
「誰も、君を気持ち悪がったりなんてしない。勿論私もそうだとも思わない。君は君である事に変わりはないのだから」
宛らいい事言ってくるクラウスさん。
『…そー言って貰えるとちょっとは気が楽っすわ。ありがとうございます』
「そして、A君。君のその力を見込んで頼みがある」
『…はい?』
頼み、とは何だろう。
このクラウスさんからの頼みって…まさかあれだろうか。買って貰ったサンスベリアとかを返したいって事だろうか。
やべぇ、そうだったらおばさんに怒られる。
内心だらだらと冷や汗を流していると、クラウスさんは構わず口を開く。
「是非、ライブラに入って貰いたいのだ」
『…それレオナルドが聞いてても大丈夫なんでしょーか』
「僕元からライブラの一員なので」
『早く言え』
「言う暇なかった!!」
だから頬を引っ張んないで!!
俺はレオナルドの頬を引っ張って気持ちを紛らわせていた。
マジか、まさかのライブラへの勧誘受けるとか…考えてもみなかったな。
『…力の事はさておき、どうしてその考えに至ったのか、それを聞きたいんすけど』
「簡単に言えば、君の身とご家族の安全を考慮しての提案だ。君がもしライブラに入ってくれれば、君の身も勿論、ご家族も我々が陰ながら見守る事ができる。
…そして果ては君のその力をどうやって取得したか、それを教えて貰いたい」
…成程、安全の保証と力の源は何なのかが知りたい、か。
別に損する事でもないし、この頼みは受け入れてもいいかもしれない。
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とーる(プロフ) - ああ俺っ娘大好きですうう、、ありがとうございますうう、、 (3月3日 21時) (レス) @page13 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 男…?女…?どっち…? でも6ページで養女って書いてあるから女…? (2020年11月7日 17時) (レス) id: 4f6aa0ae22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - リャオトンさん» 読んで頂きありがとうございます(´˘`*)主人公好きですか〜めちゃくちゃ励みになる言葉を頂きました、感謝感激雨霰!引き続き投稿頑張らせてもらいます〜! (2020年4月27日 19時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - めっちゃ好きです!主人公が好きですね〜^ ^投稿頑張ってください! (2020年4月27日 1時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年8月20日 22時