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『ちょっ、君‼︎危ないから早く逃げなさ……⁉︎』
魔獣を前に足がガクガク震えている少年にそう叫んでいると、イルマ君がその前に庇うようにして立ちはだかっていた。…いつの間にそこに⁉︎
『イルマ君‼︎早く逃げなさい‼︎君達の命が危ない___________』
駄目だ、間に合わない。このままでは可愛い生徒を見殺しにしてしまう。
嫌だ、そんなの耐えられない、どうか死なないでくれ。…死んでしまったら、もう治せない。
『…っ、"
オ「いけません、Aの魔力が…っ」
『回復し続けないとあの子達が死んじゃう‼︎そんなの絶対させない‼︎』
どうかあの子達だけでも助かりますように。そう願いながら必死に2人を回復し続ける。
イルマ君には何か策があるのだろうか、1人で何か喋っている。
酷い眩暈がして、今にも吐きそうだ。魔力を消費しすぎたせいで、このままだと後数秒しか持たない…。
『お願い、死んじゃ嫌、嫌よ…』
イ「チェルーシル!!」
『…へ?』
脂汗が額を伝い、視界が霞む中、イルマくんの叫び声が聞こえた。……かと思えば、突然巨大な念子が現れ、目の前の魔獣を丸飲みしてしまった。
イ「ごちそうさま…でしたっ……」
『嘘でしょ…魔力を食べた…!?』
有り得ない光景を目の当たりにし、眩い光に細めていた目を見開く。本当にこの子は不思議な子だ。
イ「…っ、A先生!!」
『…ぁ、イルマくん………』
駆け寄ってきたイルマくんはあちこちが汚れていて、また擦り傷を作っていた。
心配そうに私の顔を覗き込むイルマくんに安堵して胸を撫で下ろし、すぐにイルマくんの両頬をベチン!と挟む。
イ「ブェッ!?」
『もう!どうして勝手に飛び出すの!?1歩間違えれば死んでたかもしれないのよ!?』
イ「ご、ごめんなさい……」
『……もういいわ、さっきもカルエゴ君にお説教されてたし、今回はこれで許してあげる』
……それにしてもモチモチだな、イルマくん。
『ふふ、でもよく頑張ったわね、イルマくん。誰も死ななくて本当によかっ、た……』
途端に目眩がして、視界がぐらりと揺れる。バランスを崩して後ろに倒れ込むと、誰かに受け止められた。
『あ……オペラく…』
オ「…全く、無茶をするからですよ」
後ろから聞こえる声に安堵すると、瞼が落ちた。
オ「…さて」
オ「皆さん、今すぐAから離れて下さい!決して目を合わせないように!!」
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らい(プロフ) - 寝子/猫さん» 分かります!私も1度でいいから本物のモフモフエギーちゃん撫でてみたいです!! (10月1日 16時) (レス) @page22 id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - オペラさんてぇてぇなぁ!!私もエギーちゃん撫でたい! (10月1日 10時) (レス) @page22 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 素敵なコメントありがとうございます‼︎自分の作品を好きだと言ってもらえて、とても嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、どうか温かい目で見守っていただけると嬉しいです!はよくっつけもありがとうございます🥰 (9月27日 7時) (レス) @page14 id: c6042b78d1 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - らいさんの作品凄く好きです…今作が個人的に一番好きな世界観や性格で更新される度に嬉しく癒されてます!大好きです!それでは、最後に…はよくっつけ! (9月26日 23時) (レス) id: 78f3750f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2023年9月18日 23時