存在 ページ37
「あっ、ごめん。急に…」
フォークを置き、憂太の顔をまっすぐに見つめた私に、憂太は慌てて謝った。
その話題への持っていき方の下手さに憂太の優しさが表れている気がした。
『何で謝るの？ずっと憂太が気にしてくれてんの、分かってた。ありがと。』
むしろ謝るのは私の方。
憂太が気を使ってくれてるの知ってて、聞くタイミングを逃してたんだから。
でももう逃げない。
私が前を向くために必要な事。
『これから私が聞くこと、憂太に嫌な事思い出させるかもしれない。答えにくいことかもしれない。迷惑でしかないかもしれない。それでも…いい？』
「うん。それがAちゃんのためになるなら僕は大丈夫だよ。」
断られてしまったらどうしよう…そんな私の思いは憂太の笑顔にかき消されてしまった。
『わかった。』
私はレモンティーを少し飲む。
＊
＊
＊
＊
＊
『憂太は、自分にとって大切な人が死んだらどうすればいいと思う？』
なんだ、そんなことか。
そう思われるかもしれない。そう思われてもいい。
だけど、これはとても難しいことだと思う。
少なくとも私にとっては。
憂太もまだ三分の一ほど残っているりんごジュースをすすった。
「自分が悲しい分だけ、泣けばいいんじゃないかな。」
憂太はそう答えた。
『え…』
予想外の答えに私は少し驚く。
「泣いてももうその人はいないんだからしょうがないっていうけど、僕は自分が死んだときに誰かに悲しんでもらえたら正直嬉しいかな。自分の存在を認めてもらえた気がするから。」
自分が死んだとき、誰にも悲しまれないこと。
そんなの悲しいなと素直に思う自分がいた。
「まぁ、僕は死にたくないし死なないけどね。まだやらないといけないこともあるし。僕って強いじゃん？(笑)」
そういって、憂太はいたずらっぽく笑った。
「だから、隠れて泣かなくてもいいんだよ。今みたいに自分を悪者にしなくても、いいんだよ。」
憂太は柔和にほほ笑んでいった。
『ゆ…うた…』
私の目から涙があふれた。
周りに人がいることを思い出し、必死に止めようとするが無理だった。
『ほんっと、敵わないよ憂太には…』
全部、憂太は知ってたんだ。
全部、気付いてたんだ。
必死に隠してたつもりなんだけどなぁ。
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ちょこれーと(プロフ) - あいすさん» ありがとうございます！無事完結させられてよかったです！！本当にありがとうございました！！ (2021年8月11日 17時) (
レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 完結おめでとうございます！最後はハッピーエンドでよかったです！本当にお疲れさまでした！新作いってきます笑 (2021年8月10日 17時) (レス) id: ef81de8111 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 山田さん» Twitterのトレンド見て混乱してました…。ネタにする人も嫌ですよね。あと、Free！いいですよね(((場違い (2021年7月31日 21時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
山田 - 作者様と同じショックを受けている同士です…！私もFree!好きで映画楽しみにしてたのに、ちょっと残念ですよね… (2021年7月31日 0時) (レス) id: 623025bb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - *'◇')ﾉﾉ`∀´ﾙ).ﾟｰﾟ)´･∀･`)`･з･´)さん» コメントありがとうございます！パッと思いついたネタなので、ここまで続くとは思ってませんでした笑 (2021年7月20日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこれーと
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時：2021年5月16日 15時
