EpisodeLXII ページ16
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奏斗の妹ちゃんが俺を避けるようになった。理由は何となく分かってるけど。あの子は優しい子だから、自分のせいでとか思ってるんだと思う。未だ彼女の事を思い出せない俺に思い出さなくていいなんて言ってくれる子だし。
…それを寂しいとか思っちゃってる俺は、いい加減自分の気持ちに向き合わなきゃだけど。
「なぁ奏斗？」
「ん？」
さっきまでいたお客さんが出て行って、テーブルを拭いている奏斗に声をかける。何でも奏斗に話したり相談したりすんの、ずっと変わらない。多分事故に遭う前の俺も妹ちゃんのこと相談しまくってたんだと思う。
「俺さぁ、妹ちゃんのことが気になるの記憶が無くなった罪悪感からだと思ってたんだよ」
「…うん」
「でも俺、いっつもあの子がキラキラして見えんのね？」
「うん」
「多分俺、理屈であの子を好きになってんじゃないと思う」
奏斗の顔は見えないままだったけど、ちゃんと頷きながら聞いてくれてんのが分かった。記憶無くなっても気持ちが変わらないのが何故かなんて、俺にもハッキリわからないけど。それでもいいと思った。
「全部が好きなんだ。だから俺は何度記憶がなくなっても、また何度でもあの子をすきになるよ」
よく分からないけど、そんな確信があった。気が付けば目で追ってしまうのも、近くにいたら目が離せないのも全部、あの子が好きだからだって。事故に遭ったばっかりの時、どうせ好きになるって言われたけど、本当に言われた通りになった。
「…そっか」
「うん」
やっと見えた奏斗の顔はちょっと泣きそうだった。
大丈夫だよ奏斗。ちゃんとあの子にも伝えるから。
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「全部が好きなんだ。だから俺は何度記憶がなくなっても、また何度でもあの子をすきになるよ」
カフェに寄るつもりだったのに、中から聞こえた雲雀くんの声で足が止まった。たちまち視界が歪んで涙が零れる。拭っても拭っても止まらなくて、慌ててお店の影に隠れる。人通りが少ない時間で良かった。
ああ、もう充分だ。
充分すぎるよ雲雀くん。
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ちょこれーと(プロフ) - 君色世界さん» コメントありがとうございます！本当に完結させれたのは読者様のおかげです…！新作もwtriで執筆中なのでこれからも頑張ります…！ (3月21日 22時) (
レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 緋彩さん» コメントありがとうございます！バッドエンドも考えたんですけどやっぱりハピエンしか勝たん！ってなりました(笑)無事完結させれて良かったです！ (3月21日 22時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
君色世界(プロフ) - 完結おめでとうございます。そして、素敵な作品をありがとうございました！！ (3月16日 1時) (レス) @page23 id: 430d564ff5 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 完結おめでとうございます。遂に終わってしまって寂しいのとハピエン嬉しいのとこれからもお幸せにが入り乱れてます。ありがとうございます。 (3月16日 0時) (レス) @page23 id: bb74cd36c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - おあさん» コメントありがとうございます！書くの私も辛かったりもっと甘々にしたかったなぁ、なんて思う所は沢山あるんですけどそう言っていただけると嬉しいです！ここまで読んでくださりほんとうにありがとうございました！ (3月15日 23時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこれーと
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時：2024年3月3日 13時
