EpisodeXLV ページ45
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雲雀がいないと閉店後の片付けも2倍時間がかかるみたいで、忙しい時間の合間に奏斗も病院に来るけど、今日は難しいらしい。任務後にAまだいるかな、と思いながら病院へ急ぐ。
「ごめん、遅くなっ…」
『…うっ、ひば、りくっ…』
そう言い、病室のドアを開けようとした時だ。聞こえたのは声を殺して泣くAの声だった。俺は足を止めてその場で立ち尽くすことしかできない。
カフェで見るAはこんな時でも明るくて、俺も奏斗も凪ちゃんもそれに救われてばっかりで。でも俺はAのことを何もわかってあげられてなかった。辛いはずない。明るくいられるはずなんかない。ずっと我慢していただけだった。
自分の病気のこと、余命のことだってあるのに。Aにとって大切な人がこんなことになって。
「ごめん」
それでも慰められたりするのは、きっとAも望まないから。俺は思わずそう呟くと、来た道を引き返した。前にAに言ったはず。Aの苦しみをわかってあげられるのは俺しかいないから、全部俺が見てるって。
俺にできることをする。そばにいることしかできないかもしれないけど。ただ、それで少しでもAが笑っていられるなら俺は何でもする。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時