EpisodeXXII ページ22
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「A!」
『…セラくん』
もう今にも溢れそうな涙が目に溜まっているのに気付いたのは多分俺だけで。雲雀に見られないように離れるAを咄嗟に呼び止めた。
「…俺が見てる」
『…え?』
俺なりにたくさん考えた。雲雀のためにできること。Aのためにできること。俺にしかできないこと。
「Aが泣いたり笑ったり、雲雀のために頑張ってるとこ、俺が全部見てるから」
真っ直ぐにAの目を見てそう言う。Aは一瞬顔を歪めるとポロポロと遂に涙が溢れだす。それを見て、少し胸が痛くなったのは気付かぬふりをした。
あと半年。余命なんて絶対じゃないけど、この短い期間がAに与えられた時間。死んでしまうと分かっていても頑張るAを見ていてやれるのは俺しかいないから。
『…うん、うん!ありがと、セラくん…!』
Aは顔を覆って泣き出してしまう。それでも俺を安心させるみたいに笑うから、俺が選んだことは間違っていないと自信が持てた。これは俺にしかできないことだから。
だから、Aがすきだってことは絶対に言わない。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時