【2j3j】私たちは恋にはならない【knmc】

29、どうしちゃったんだろ ページ31

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『やっぱり勉強は刀也とだなぁ…。友達とやると普通に喋っちゃうんだもん』








友達と勉強をするはずだったのに、すっかり話が弾んでしまった。
おかげで少ししか終わっていない課題を刀也の部屋で刀也と一緒に終わらせる。









『刀也、ここ分かる？教えて欲しいんだけど、』


「ん、どうやって教えたらいいか考えるから、ちょっと待ってて」









苦手な数学で基本問題は何とか出来たもの、応用の文章問題でつまづく。
刀也に聞けば、すぐに返事が返ってきて教えてくれるらしい。


刀也は頭がいいから理解しているだろうけど、私にどうやったら分かりやすく教えられるか考えてくれるんだから優しい所あるよなぁ。
教えるのって難しいし、流石だ。


私のテキストと睨めっこしていた刀也が、テキストを返して私と向きなおる。









「基本と同じで、この公式を使った後に…」



『…う、うん』









ぶわっと一瞬で体温が上がってしまった気がした。


すぐ上に刀也の顔があって、ちゃんと聞こうと思った説明は左から右へ流れていってしまう。
刀也の字が好きだなぁとか、声安心するとか、匂いも落ち着くとか。
私、変態みたいじゃん。










「A、聞いてます？」



『っあ、ごめん…聞いてなかったです…』



「質問したからには聞いてくださいよ」



『ごめんごめん…！』










もう一度テキストの公式をなぞりながら、刀也は説明してくれる。
相変わらず頭に入ってこなかったけど、今度は頑張って聞いた。


前はこんな距離何ともなくて、何にも思ってなかったのに。
変に緊張したりとかしなかったのに、どうしちゃったんだろ私。
今、絶対顔赤いし。



友達みたい、って言っちゃったけど、ちょっと嘘になっちゃったな。






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