10、幻覚か現実か ページ11
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…なんて、バカな私が柄にもなく色々考えすぎてしまったからかもしれない。
『38.7度…全然下がってないし…』
見事に熱を出しました。
さっき測った時は38度くらいだったから、下がるどころか上がっている。
普段は全然風邪をひくことも無いし、熱が出た原因に心当たりがありすぎて何か嫌だな。
お母さんはめちゃくちゃ心配して仕事を休もうとしてたけど、大事な会議がある日らしい。
「一人でもこのくらい大丈夫!」と言うと、「何かあったらすぐ連絡して!」と言い残し渋々家を出て行った。
いつも学校に行っている時間に家にいるのは、不思議な気分だ。
『思ったより、ヤバいかも…』
なんて、呑気に考えている余裕はなくなってきた。
視界がぐわんぐわんと大きく揺れている感じがして、全身が熱い。
喉も頭も痛くて、食欲は無いけど食べないと怠いまま。喉も乾いた。
けどこれは立ったら倒れるかもしれないし、大人しくしとくか。
もっと熱上がってきたかも。
やっぱりお母さんにいてもらうべきだったかな。けど、迷惑かけたくないし。
何か、辛い時に1人って普通に寂し…
「うわ、死んでるじゃん」
『っえ、刀也?』
「おじゃまします」
すると、私がいつもしてるみたいに刀也が窓から私の部屋に入って来た。
そっか、玄関は鍵かかってるし…。
っていうか、何でいるの?学校は?
私、いよいよ幻覚まで見えるようになっちゃったのか…?
熱で魘されている頭でぐるぐる考えるものの、全然分からない。
ああ、もう幻覚でも夢でも何でもいいや。
『刀也だぁ…』
「泣っ…!?相当参ってんなコレ」
『刀也ぁ…、今マジでしんどくて、何もできな‥っ‥』
「うわ、あっつ」
現実じゃなくとも刀也が来てくれたのが、嬉しくてボロボロ泣き出すとぎょっと驚かれる。
額に刀也の少し冷たい手が添えられた。
何にも考えられない頭でも、それが現実だと遅れてだけど理解できた。
『あえ…幻覚じゃないの…?』
「ガチでヤバイじゃん。現実だわ」
本物…?現実…?
じゃあ本当に私を心配してきてくれたのかな。
『えっ、でも学校は…?』
「あー…サボった」
『サボった!?』
あのクソ真面目な刀也が学校をサボった…!?
びっくりして、刀也の方を見るとフイっと目を逸らされた。
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mil(プロフ) - あぁ、最高だ。。。 (7月4日 15時) (レス) @page36 id: 5c38ee4561 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - リンさん» 私も周りが結構多いんで、それでちょっと思いついた作品でもあります…!マジで衝動書きみたいなモンなんですけど、そう言っていただけると嬉しいです! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ころろさん» コメントありがとうございます!おお‥何かコンプリートしてしまった(笑)嬉しいです!期待に応えられるように頑張ります! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!新作出すのお待たせしてすみませんでしたぁ!!嬉しすぎるお言葉…!頑張ります!エイの干物さんも体調に気を付けてくださいね! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - わたしがいま蛙化現象真っ最中なのでめっちゃ嬉しいです (2022年12月3日 10時) (レス) @page5 id: 0f87eba771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年12月2日 23時