【2j3j】俺の姫は俺より大人【fw】

Episode43 ページ44

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「ただいまぁ…」









今日は色々あって、やっぱり遅くなってしまった。
疲れたから早くAちゃんの顔が見たい。
寝てるかと思ったけど、リビングの電気がついていた。









「Aちゃん、まだ起きとったん〜？」









俺がそう聞いてみるものの、いつものように返事が返ってこない。
しかも周りをよく見ると、Aちゃんのバッグやコートが散乱していた。
Aちゃん綺麗好きやし、すぐに何かあったと察する。









「Aちゃん…？」










俺がその理由を聞くより前に、Aちゃんが俺をソファーに押し倒すようにして少し乱暴にキスしてきた。
Aちゃんは何も言わない。
突然の事に驚くことしかできずにいると、ポタっと俺の顔に雫が落ちた。


Aちゃんが、泣いとる。










『不破くんなんか大っ嫌い！』



「っえ、ちょっ！」











Aちゃんは近くにあったクッションを思い切り俺に向かって投げつけると、そう叫んだ。
嫌いなんて言われたのは初めてで、そもそも喧嘩もしたことなくて。
でもAちゃんが泣いてるのが俺のせいだということは分かって、でも何でかは分からなくて。


呆然としている間に、バッグを掴んでAちゃんが出て行った。
玄関のドアがバタンと激しく閉められて、静かになった部屋で一人取り残される。










Aちゃんが俺のせいで泣いてる。










ごめん、ごめんなAちゃん。
Aちゃんを泣かせて傷付けたのが俺やとしても、俺はAちゃんを手放せへん。
嫌いになんてならへんし、諦められない。










俺はどこへ行ったかも分からない彼女を探して、家を出た。











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