多分い じめられてます【灰谷蘭】

37、可愛くない ページ38

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さっきまでへこんでいたけど、やっぱり諦めるなんてできない。
お姉ちゃんにも協力してもらってるのに。
何より、私は蘭くんが好きなんだから。


スカートが膝より上までしかなくて、ちょっと落ち着かない。
それでも昼休みにどこかへ行ってしまった蘭くんを探す。


お弁当誘ってくれなかったってことは、やっぱり嫌われたのかな。
そんなことが頭をよぎったけれど、すぐに吹っ飛ばす。










『蘭くん！！』



「…なに」










やっとのことで、蘭くんを見つける。
声をかけると、さっきの冷たい目が私を見下ろした。











『私、何か変わったかな？どう！？』



「…何の事だよ」



『分からない？このへん！』










こんなのウザいに決まってる。
そう頭では分かっていても、気付いてほしくて必死だった。
それが案の定気に障ったらしい。


ドンと大きな音が頭に響いた。
目の前に私を蔑むような顔をした蘭くんがいる。










「そうやっていろんな男釣ろうとしてんの？」



『ちがっ…』



「…そーゆーの、マジで引くわ」










蘭くんの言葉が鋭い矢のように胸に突き刺さった。
悲しみと同時に私の中の何かが切れる。











『蘭くんが分かってくれたら、それでいいのに…』










前に優しくしてくれたのは、私に声をかけてくれたのは、全部気まぐれ？
蘭くんは無意識かもしれないけど、そんなの簡単に期待しちゃうんだよ。
こんなことまでして、女の子慣れしてる蘭くんは私の気持ちなんてお見通しでしょ？
嫌いなら嫌いって言ってくれたら、私だって諦めきれるのに。


重いって分かってる。
でも蘭くんの冷たい視線も言葉も、やっぱり前の優しい蘭くんを思い出しちゃうから。
簡単に諦められない。













『鈍感！蘭くんのバカ！！』











こんなの全部八つ当たり。


泣いてるの見られたし。
蘭くんにバカって怒鳴っちゃった。
こういう所が可愛くないんだ私。
見た目だけ変わっても、やっぱり私は私のまま。


これで本当に嫌われちゃった。
お姉ちゃん、私に恋は難しすぎます。










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