高専三年生さんは、狂っている。

・再会 ページ13

・

NO side











「お前らこそ何者だ？侵入者は許さないぞ....憂太さんが！！」







「こんぶ！！」







恐らく、ノリだろう。




パンダと狗巻が憂太を盾にする。









「え！？」










「殴られる前にさっさと帰んな！！憂太さんに！」







「えぇっ！？」









そのノリに真希までもが乗る。








一年で唯一の特級だからだろうか、であれば三年で特級であるAが後輩に頼られるのはもちろんの事＿＿＿＿。














訳が分からなくなった乙骨は、取り敢えず歳上であるAの名前を呼ぶ。












「よ、よく分からないけど...Aさんが怒る前に帰る事をお勧めします..！」















乙骨の言葉に釣られてパンダ、狗巻、真希もそれぞれ彼女の名前を出す。











だが彼女は動かない。










否、












動くことが叶わない。
















「A先輩...？」










彼女の様子がおかしい事にいち早く気づいた乙骨は横にいるAの方を向く。







途端、彼女が膝から崩れ落ちる。






呼吸は浅くなり、普段ほとんど笑みと無表情しか出ない顔はこれまでにない表情に。












その様子を尻目に夏油は乙骨に声をかける。



















「初めまして、乙骨君。私は夏油傑」



















気付けば夏油傑は乙骨の目の前にいた。




夏油傑は、憂太の手を握り微笑む。















「えっ、あっ、初めまして...？」







乙骨は戸惑いながらも夏油に挨拶をする。







「君は、とても素晴らしい力を持っているね！

　私はね、大いなる力は大いなる目的の為に使うべきだと考えている。

　今の世界に疑問はないかい？

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