ただの短編集4【wrwrd】

心は既に死んでいる ut ページ1

「な、なぁ、好きって、好きって言って欲しいねん」


「何ですか急に…！やめて、離して下さい！」



＿＿関わるのはやめた方がいい



そう噂されてる人に優しく接したのが間違いだった。
その日から態度が急変し、目が合えば何とも言えない笑みを浮かべて近付いてくる。


ただ会社で必要な資料を手渡しした、それだけなのに。



「僕な、Aちゃんの事、めっちゃ好きやねん。でも、Aちゃんは僕の事好きじゃないから。頼むから、好きって言ってほしいわ」



「鬱先輩、お願いだから離して下さい…！」



ギリギリと壁に押し付けられた手は、容易く解放される事は無かった。段々と力が入り、いよいよ痛みの限界が迫る。




「先輩…！ホントに……痛い！」




そう叫べば、鬱先輩は我に返って手を離す。
本当に申し訳なさそうな顔で覗き込む彼。悪気など無いと分かっているから、厳しく接する事が出来ない自分がいる。



「…ぅあ、ごめん、Aちゃん。ほんまに、ごめん。自分ヤバいな。ただでさえ好感度低いのに、また…」



ヒリヒリと痛む手首をさすりながら、この場からどう逃げようか模索する。
扉は鬱先輩の背中の方だ。横切っても止められる。




「Aちゃん。なぁ、お願い。僕の事を嫌いだって事も、知っとる。でも諦められないから、いっそのこと、Aちゃんからフってほしい」



「え…」



「じゃないと、自分が何しでかすか分からへん。だから、理性があるうちに、Aちゃんの口でフってほしい。貴方の事が嫌いです、ってハッキリ」



饒舌に語り始める彼は、もはや理性など保っていなかった。



「そうすれば僕も納得する。さっきみたいに、懇願したりせぇへん。好きって言ってほしいだなんて気色悪い事、言わないって約束する。だから……」



震える声。一体何が先輩を苦しめているのだろうか。
もしかして私の所為なのか？私が、先輩に優しくしたから。それとも考えすぎ？



生気を感じられない先輩は、泣きそうな顔で訴える。



「好きやで。Aちゃん。はよ、フってほしい」




「………鬱、先輩…」




「おん…」




「好き、です…」




「…は？」




「これで満足ですか？先輩の望む通りにしました。これに懲りたら、もう次は辞めてくださいね…」




「…Aちゃん。ありがとう。」





そう嬉しそうに笑った先輩の顔を初めて見た。








＿＿＿＿＿＿＿
初回から意味不明

約束 shp→

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