引き立て役という名の汚れ役 rbr ページ21
ただただ夢主が報われないお話
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次の授業の教科書を取りに席を立ち、ロッカーへ向かえばいきなり出される長い足。
鈍臭い私がそれを避ける事なんて出来るわけもなく、無様に引っ掛かり床に這い蹲る。
クラスメイトの笑い声。集まる視線。
ぜんぶ、ぜんぶ慣れてしまった。
「何やってんのA。大丈夫〜？」
足を掛けた本人は悪気もなく、ケラケラと笑いながら私の心配をしてくる。彼女の取り巻きも、クスクス笑う。
「あはは。ちょっと寝ぼけてるのかも。足当たっちゃってごめんね？」
「なに、寝不足〜？なら保健室行って寝てなよー。それで永眠しな？アンタにはお似合いだよ、凄く」
言葉に棘がある。その棘も、全部慣れっこだ。
「お似合い？嬉しいなぁ〜」
私も愛想笑いを振りまきながら、彼女たちの機嫌をとる。こうやって接してくれるだけまだいい。
一人になる事だけは嫌だから。
死んだ表情筋に笑顔の面を貼り付け、自分を装う。
いつからこうなったっけ。全然、分かんないや。
「＿＿Aさん」
「…ん？どうしたの、ロボロ君」
呼びかけに応じて顔を上げれば、そこにはロボロ君がいた。
放送委員で、無駄に声がいい事で評判を得ていた気がする。
彼は、みんなの人気者だ。正直言って、羨ましい。
席に座った私の前に立ちはだかるようにロボロ君は私を見下ろしている。
こうやって面と面を向かって話すの、初めてかも。
胸の鼓動が止まらない。何気にロボロ君の事は、好きだから。
「……俺な、Aさんの事、間違って見てたのかもしれへん」
「…どういう事？」
曇り顔のロボロ君は、私から目を逸らし机に視線を向けた。
「あんなに揶揄われて、嫌な顔一つしないで接するAさんの事、素直に凄いなって思ってたん。でも、ちゃうんやなって」
「まぁこれは俺の友人から聞いただけなんやけど、Aさん、同情して欲しかったんやろ？」
「…………え？」
「自分が被害者面すれば、誰かしら声掛けてくれるって思惑なんやろ？そう聞いたんだけど」
「違っ…！」
「友人がAさんから直接聞いたって言っとるもん。アイツ、嘘付くような奴じゃないし…。にわかには信じられへんけど、俺、Aさんに幻滅したわ。＿＿好きだったのに」
私が一体何をしたというのだ。
何もしてないのに。
どうして私ばかり、こうなるの。
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
