ウソとホントと半年間 kn ページ42
「お、おはよう、Aさん」
「お、おはよう」
そう言って愛想笑いを浮かべれば、同級生は嬉しそうな顔をして友達の方へ走っていく。
友達たちは��もっと話しかけろよー��と冷やかしをしているが、私は気分がとても悪い。
どうやらこの同級生は私に好意を寄せてるらしく、それを自分で友達に言いふらした。それを聞いた友達がまた別の友達に…と樹形図のように広がってしまった。
その同級生はクラスで言う��陽キャ��に分類されてる事から��陰キャ��の私にはとてもキツイのだ。
まぁこの同級生に好きという感情は1ミリも無いので、仮に告白されても断るつもりだが。
「しんどいなぁ…」
小さく呟かれた言葉は教室の片隅に消えていった。
休み時間の合間に同級生は私の元へ来て話題を提示して会話を広げようとする。私が嫌がっている事も気付かないで、友達の元に行ってはまた私の元に来て話しかけてくる。
あと半年間で学生生活が終わり、という矢先にこれだから本当に最悪だ。
ようやく帰れる、そう思って立ち上がった時、��A��と呼ばれた。
振り返ればそこにはコネシマがいて、なんとも言い難い表情で私を見ていた。
「どうしたの？」
私がそう問いかければ、目を逸らして「いや…」と呟く。
「別に大した事じゃ無いんやけどさ、お前、アイツの事どう思ってる？」
アイツ、とは同級生の事だろう。あぁ、と小さく言って私は首を横に振った。
「やだよ。冷やかしとかそういうのも含めて、全部」
「だよな。アイツと話してるお前、めっちゃ嫌そうな顔しとる」
「…あはは」
「乾いた笑いやな。でも嫌ってのはお前の口から聞けたし良かった。で、A」
「ん？」
「俺もAが好きや。でも今更付き合って欲しい、ってなってもあと半年間しかない。俺は進学でここを出るし、Aは就職でここに残る。遠距離恋愛ってのも辛いし。んで本題や」
「ちょ、ちょっと待って。全く理解できな＿＿」
「付き合ってるフリせんか？」
「え？」
気付いたら教室には誰もいなかった。
夕日が顔を隠そうと沈んでいく。
「俺とAが付き合ってるフリすれば、アイツも諦めるだろーなって…。いや待てや俺。何も考えずに言ったけどAにメリットなんて何一つないわ」
そう早口で言ったコネシマは、髪をくしゃくしゃと掻きむしった。私はその手を掴む。
「いいよ、付き合おう」
＿＿ウソなんかじゃなくて、事実にしちゃお？
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
