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side.N
目が覚めると同時に鳴り始めるアラーム。
煩く鳴り続けるそれを止めて、ゆっくりと起きる。
そこからはいつも通り朝の用意を適当にこなして、朝食をとってまたこの部屋に戻ってくる。
クローゼットという名前だけを与えられた俺のクローゼットは今日から来ていく真新しい制服だけが掛かっている。
相葉さんや風間くんが着ているのは何度も見ているから、とても見慣れている。
でも見慣れていると言っても自分自身が着るとなると不思議なもので、袖を通すと身が引き締まる思いになる。
鏡の中の俺はまぁ、いつも通りの俺で。
「やっぱり違和感は残るもんだな」
「和、雅紀くん来たわよ。早く降りてらっしゃい」
下から母さんに呼ばれて慌てて鞄を引ったくって階段を駆け下りる。
約束の時間は随分先なのに、こんな時間に来るなんて相葉さんにしては珍しい。
玄関を開けて外に出ると相葉さんと風間くんが待っていた。
「お待たせしました」
「いやぁー早く着きすぎちゃってさ、ごめんね」
風間くんが平謝りするもんだから、可笑しくって笑ってしまう。
「どうせ、相葉さんでしょ？」
俺の言葉に頷いてる風間くんだけど、相葉さんはしっかり俺の家の前で座り込んでいる。
「ごめん、相葉さん。お待たせ」
「もぉー遅いよ、二ノ。初日からサボりかと思ったよ〜」
だいたい今日の待ち合わせ時間 何時だと思ってんのよ、この人は。
全くわざわざ しゃがみ込んで謝ったのを取り消したいぐらいだ。
「早く行こ！紹介したい人が居るからさ」
俺の肩に腕を回して物凄いスピードで歩き出す。
後ろにいる風間くんは呆れた様子で笑っているが、きっと慣れたんだろうな。相葉さんのこのテンポに。
俺と相葉さんはもう本当に昔からの知り合いで、何なら一番付き合いが長い人だ。
風間くんと出会ったのは中学。
元々相葉さんと仲の良かった俺は相葉さんの紹介で知り合った形だった。
それからもこの二人とは何だかんだ、よく一緒に居ることが多かった。
俺は昔から同級生と絡むタイプじゃないし、基本一緒に居て楽な人が好きな質で。
「相葉ちゃん、早いよ。二人して俺のこと置いていかないでよね」
「あ、風間ぽん。ごめん。ニノにさ早く翔ちゃんのこと紹介したくてさ。春休みも結局会わせられなかったし」
風間くんは仕方ない、という様子で笑っていたが、俺にはその`翔ちゃん´という人がどんな人なのか検討も付かなかった。
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年9月1日 14時
