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6 俺のこの身体。 ページ6

side.S


雨が降り出した時から嫌な予感はしていた。


それでもあまり心配は掛けたくなくて、家に帰って来てからもずっとソファーに座ってテレビを見ていた。


こんなにぼっーとしていたら何か怪しまれるのではないかと思うものの、


智くんは後ろのダイニングテーブルで何かを書いていて気付く様子はなさそう。


「翔くん、寒い?大丈夫?」


それでも安心したのはほんの束の間で、智くんの声は突然飛んでくる。


「大丈夫…何ともないよ…」


見え見えな嘘に自分自身でも泣きたくなった。


立ち上がって、こちらに歩いて来る智くんは心配しているというか不安げな表情に見えた。


「調子、悪いんでしょ?」


そう目を逸らさずに真っ直ぐに言われると途端に嘘が付けなくなる。


黙っていることも辛くなって、ゆっくり頷いた。



家に帰って来てからというもの悪寒がしている。


雨に打たれた訳でもないのに…


20年以上この身体と付き合って来たはずなに、自分の身体のことすら分からないんだ。


寒くて、寒くて…


震え出した身体を摩って温めてくれるのは智くん。


「大丈夫。ちょっと待ってて」


そう言い残して、二階に駆け上がって行った。



怖い、なんて思う事はなくなった。


小さい頃は 何で俺だけ?とか、こんな身体要らねぇって、何度も思っていた事だった。


でも、そんな反抗期のような思いと共に少なからず、恐怖というものがあったんだ。


何も分からないことが怖くて、堪らなかった。


でも、今は……


「ごめん、毛布取ってきたから」


こんな現実、消えてしまえばいいのに。


「ホットミルクも作るね。暖まるだろうし」


コントロールの効かない身体がこれ程までに疎ましく思うことは無い。


こんな身体に付き合ってくれているのは俺じゃなくて智くんなんだ。


「いつも、ごめ…ん…」


「翔くんが謝ることなんて何もないでしょー?だから、謝んなくていいの」


いつでも、どんな時でも優しい智くんにずっとずっと助けられいる。


きっと智くんに出会っていなかったら今の俺は居ないだろうな。


それぐらい、俺のこの身体は智くんの自由を奪っているんだ。




「落ち着いた?」


「…うん」


「やっぱり…今日は止めておくべきだっね。ごめん」


貴方のせいじゃないのに。


「智くんの…せいじゃないから」


それでも、


「翔くんのせいでもないからね」


貴方はいつもそうだ。

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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (5月26日 12時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未翔 | 作成日時:2019年5月19日 21時

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