past.5 ページ45
side.S
「えっ！あそこのケーキ食べたの？」
「はい、すっごく美味しかったですよ！濃厚で甘さがいい感じなんですよね。良かったら大ちゃんも今度一緒に食べに行きます？」
さっきまでご機嫌斜めだった智くんも相葉くん、じゃなくて雅紀がスイーツ好きって分かってからビックリするぐらい楽しそうに話している。
まぁ智くんは知ってるとしても雅紀もスイーツ好きだとは知らなかった。
俺は別に嫌いって訳じゃないけど、二人ほど熱があるわけでもないから。
「でも、あそこ行列でしょ？雅紀、よく食べれたね？」
「実は、友達に風間って奴が居るんですけど、そいつが並んで買ってきてくれたんです」
もう、二人してクレープ食べながら某有名店のスイーツの話が続く。
友達が並んで買うって。すげぇな。
「いい友達じゃん」
「はい！」
「ねぇ、翔くんはクレープ食べないの？」
チョコレートがかかったクレープにパクつく智くんは俺にも食べないかと差し出してくれたが、丁重に断った。
「俺は遠慮しとく」
「美味しいのに。ねぇ、雅紀？」
何か智くんが呼び捨てって新鮮だなぁ。
「ん？翔くんも呼んで欲しいの？」
いきなり心を読むんだから。
「俺は、大丈夫です」
これまた丁重に断った。
「翔ちゃん？」
グルグルと回り続けるコーヒーカップを見ていると心配そうに覗き込む雅紀の顔があった。
「寒い？」
そう言われて、我に返ればいつものように腕を摩っていた。
そりゃ、この時期だもんな。
真夏とまではいかないが春ではないこの時期には似合わない行為だ。
「ううん、何でもない」
雅紀は不思議そうに首を傾げて、笑った。
俺もそんな雅紀が眩しくて笑みを浮かべた。
その時、後ろから薄いカーディガンを掛けられた。
「智くん…」
「いいから、掛けてな」
雅紀が気にしないように小さい声でそう言うと、クレープのゴミを捨ててくると行って智くんはくるりと踵を返した。
「雅紀、次はどれ乗りたい？」
「翔ちゃんは？ジェットコースターでも行く？」
「また、ジェットコースター、、さっき乗ったばっかりじゃん。また、乗るの？」
今日この数時間で雅紀とは随分親しくなった。
堅苦しい様な敬語も消えて、打ち解けあえたというか何というか。
「翔ちゃんってビビりっぽいなぁ」
ここまで言われたらさすがに弄られてるけど。
雅紀は何かムカついたりしないんだよな。
優しい空気っていうか、憎めない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 673人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
