40 温かな仲間は。 ページ43
side.A
翔ちゃんはふわりと笑った。
「俺、皆んなが我慢してるのを見るのが辛くて。智くんも、ニノも、雅紀も、、潤だって」
クッションを抱きしめて、また下を向く翔ちゃんに焦るものの翔ちゃんの言葉は続いた。
「でも、俺がそう思うことが皆にとってはもっと……」
その後は言葉にならずに幾つもの涙が翔ちゃんの頬を流れた。
その姿が儚くて、俺はまた壊れたばかりのあの頃を見てしまった。
「大丈夫。俺はずっと翔ちゃんの傍にいる。でもそれは、翔ちゃんが思ってるような理由じゃない。翔ちゃんの傍に居ることが俺の幸せなんだ」
我慢できずに抱きしめて、気付けば口から溢れるように出てきていた。
俺の腕の中に閉じ込めた翔ちゃんは、出会った頃からは想像出来ないほど近くに感じる。
それは、翔ちゃんが俺を受け入れてくれたから。
「はぁはぁっ、まさっ…き、まさっ」
俺の腕の中にいた翔ちゃんはいつの間にか俺に凭れるようにぐったりとしていた。
呼吸も乱れていて、この時初めて薬を飲ませることを忘れていた事に気付く。
「翔ちゃん、落ち着いて。大丈夫だからね、直ぐ良くなるから」
とにかく薬を飲ませるにしても、呼吸を落ち着かせないと。
翔ちゃんを抱いたままだと、薬は飲ませられてもブランケットを取りに行く事が出来ない。
きっと今は我慢して口には出さないもののこのパターンならいつもと同じだ。
「雅紀、これ持ってきたから」
丁度、扉が開いてブランケットを持った大ちゃんが入ってくる。
そのまま、何も発すること無く翔ちゃんの傍に、俺は大ちゃんのもとに翔ちゃんを引き渡す。
大ちゃんは素早くブランケットを巻き付ける。
俺は翔ちゃんの腕を擦りながら正しい呼吸法を繰り返し続けた。
漸く呼吸も落ち着いたのを確認して、翔ちゃんに薬を飲んでもらった。
体力を使い切ったであろう翔ちゃんは大ちゃんに凭れる形のまま、俺に戸惑いの目を向けていた。
「大ちゃん、俺出るから翔ちゃんのこと宜しくね」
翔ちゃんはすっごい不安そうに見てきたけど、俺は大ちゃんが頷いたのを見て部屋を出た。
「雅紀、翔さんに薬に飲ますの忘れてたろ？」
下に降りれば俺の存在に気付いた松潤から直ぐに注意勧告を受けました。
「ごめん、ほんっとにごめん」
「さっきオジサンが言ったんです。雅紀は翔くんのことよく見てるって。それに今回は相葉さんのお陰ですから」
また一つ絆が太くなった気がした。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
