39 後悔と成功法。 ページ42
side.N
「翔くん、、今、幸せかな…」
涙こそ流さないものの蚊の鳴くような声で嘆いた大野さんは、ついさっき２階から降りてきた時とは大違いだ。
明らかに翔ちゃんと何かあったということは明白で、だからといって熱が冷める気配のない大野さんに話を聞くのは難しいと察し、相葉さんが素早く動いてくれた。
「翔くんは、何にも分かってない」
そんなの、ちゃんと話さないと分からないじゃないですか。なんて言えなかった。
話してきたからこそ、大野さんも翔ちゃんもそう思ったんでしょ。
潤くんはといえば、そりゃ発端といえば発端だから明らかに大野さんがキレてて、相葉さんが２階へ上がるの同時にキッチンに向かった。
そんな様子も全て感じとった大野さんは少しは冷静さを取り戻したらしく、今度は打って変わって落ち込み始める。
「翔くん、またおいらのせいで……」
「今、相葉さんが行ってくれてますから大丈夫ですよ。今だけは我慢して下さい。でも、翔ちゃんの一番近くで支えられるのはアンタしか居ないって分かってるでしょ？」
軽く喝を入れれば、潤くんが持ってきてくれたお茶を飲み干す。
「ごめん、松潤。大人げなかったね。
ニューヨーク、行ってきな。俺は松潤のこと信じてるから」
それは大野さんが少し解き放たれた証拠だろう。
俺と潤くんを交互に見ては、ごめんねと何度も謝った。
きっと大野さんは敢えて言葉にしなかったんだ。
言葉にすれば、あの約束を課した過去の自分に戸惑ってしまうから。
でも、それが大野さんの出した答えなら俺も潤くんも相葉さんもどこまでだって着いていきますよ。
「大野さん、早く翔さんのところ行ってやりな。どうせ雅紀のことだから薬のこと忘れてるかもしれねぇし。それに、翔さんも大野さんが傍に居る方がいいだろ、、」
「そうですよ、どうせ心配で心配で堪んないクセに」
昔、大野さんは翔ちゃんのことを可哀想なんかじゃないと言った。
俺たちはそんな大野さんが、翔ちゃんが好きで好きで、ずっと今でも憧れだ。
「この形で間違ってないよね？」
「何もかもを話すことが正解とは限らないってことですよ」
「さすが、心理学専攻だよな。やっぱすげーよ和は」
翔ちゃんの病状を調べる為にニューヨークに行ってくる。
きっとそれだと、大野さんは許してくれなかったと思う。
翔ちゃんが一番、気にしてることだから。
それに大野さんはそんな翔ちゃんをずっと見ているから。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
