30 時には判断を。 ページ31
side.M
大野さんと和を呼びに２階に上がり、和の部屋をノックする。
「おぉ、松潤ー」
翔さんの予想通り、大野さんは和の部屋に居た。
そして扉を開けたのも大野さん。
「やっぱりここか。そろそろ出るから和と一緒に降りてきて、翔さんも待ってるし」
未だに寝間着を来ている二人をなるべく急かして廊下に出て準備が終わるの待つ。
その時、下から不規則ながらも荒い息遣いが聞こえる。
慌てて下に降りようとした時、着替え終わったであろう大野さんが俺をすり抜けて降りて行った。
俺と和も慌てて大野さんの後を追った。
「翔くん！聞こえる？、翔くん！」
大野さんの一際の大きな声が聞こえるものの、翔さんの声はない。
床に座り込むようにして倒れており、両手を自分の二の腕に当てていた。
きっと今回も突発的に起こったものだろう。
過呼吸を起こし、そのままいつもの症状も出たと見て間違いなさそうだ。
「すぐ来てやれなくて、ごめんな翔くん」
ぐったりと倒れ込んでいる翔さんは、大野さんに抱き上げられソファーに寝かされる。
俺も和も初めて見たわけでもないから冷静でいなければいけないことは分かっている。
和は心理学を専攻しており、翔さんの症状についても深く調べこんでいた。
だからこそ翔さんの気持ちに寄り添い、優しい和の心が翔さんを安心させていた。
でも目の前で大切な人が倒れるのは何度見ても慣れるはずなくて。
「ニノ、、ちょっと翔くんの傍に居てやって」
それでも大野さんはテキパキと動く。
そして心がないんじゃないかって心配になるぐらい大野さんの表情はなくなる。
和が翔さんが横たわるソファーに行くのと同時に大野さんが俺のもとに来る。
「翔くんのこと心配だろうけど、松潤だけでも雅紀のとこ行ってきてやって」
「こんな時に、何言って」
「雅紀は今日の試合の為に物凄く頑張ってたろ？翔くんだって観にいきたいって言ってた。だからその大っきいカメラで撮ってきて」
バスケへの想いに揺れる雅紀の事も、翔さんの事も何もかも分かっている大野さんには迷いはなくて。
「わかった。翔さんのこと頼むよ」
俺には反論する事なんて何もなかった。
直ぐにキッチンでホットココアの準備をしてブランケットを用意して大野さんに渡す。
寝ている翔さんの傍に寄り、いってきます、と言うと大野さんは頷いて微笑んでくれた。
時計を見て、俺は大学に向かって急いだ。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
