45 涙に隠れた心。 ページ15
side.S
「じゃあ、また」
「明日はウチに泊まりに来て下さい」
「……うん、そうする」
遊園地からの帰り、別れ際はいつもとは少し違う空気が流れていた。
否、正確には俺が流している。
観覧車での出来事を思い出すだけで、
言い表せない高揚感があるのと同時にどうしようもなく不安にかられた。
これからもずっと傍に居てください。
この言葉は今の俺にとって充分過ぎるほど心に染み込んだ。
最終的に俺はYESと答えを出した。
何故なら一番に思い、考えていた事だったから。
でも、
後悔していることも事実なんだ。
理由はもちろん、あの彼女。
あれからメールアドレスを仕方なく登録するも何の音沙汰も無い。
それはそれで全然有難いのだが代わりに届くのが知らないアドレスからのメール。
内容が大した事じゃなければ何の問題もないのだが、送り付けられてくるものは案の定、誹謗中傷な訳で。
まぁ慣れたと言えば慣れたもんだ。
こういう経験は初めてに等しいがそれなりに回数を重ねれば免疫はつく。
唯一、思うことがあるとすればあの女からの連絡が何も無いこと。
勿論、待ち望んでる訳ではないがあれほど脅しておいて何もないのも怖いものだ。
‘‘お前なんか消えろ！’’
‘‘生きてる価値なし。さようなら’’
‘‘１週間以内に死ね。
やらなかったらどうなるかなんて分かってるだろうな？’’
死ぬ…か。
考えたこともないし、何が今の事態を招いているかすら分かっていない。
まぁ死ぬわけもないし、ましてどうなるかなんてさっぱり…
な訳もないから悩んでいるんだ。
和、
俺、和のためならって……
和と別れて帰宅する。
一人の空間は無性に淋しくて、どんなに忘れようとしても頭から何一つ離れなかった。
約束した明るい未来も、
だんだんと押し寄せて来る黒い影も。
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未翔(プロフ) - 櫻華さん» 感想、ありがとうございます！更新はスローペースとなるかもしれませんが、出来る限りしたいと思っておりますのでこれからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 23時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 移行、おめでとうございます。駆け足になってしまいましたが拝読しました。2人の…特に翔さんの心のうちに何があったのか気になります。それを知っての二宮さんの行動も今からドキドキしています^^* (2019年3月9日 23時) (レス) id: 643a141105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔 | 作成日時：2019年3月9日 20時
