第２章−３− ページ6
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「……花本はぐみ、31歳。関東電機大学工学部大学院を修了後、大手電機メーカーの四葉電機に研究職として入職……調べたところ、かなり論文も書いている」
間接照明に照らされた薄暗い店内で、ソファー席に腰掛けた松本がタブレットPCを掲げる。
ディスプレイには、白衣姿の花本はぐみ、昨日まで『赤羽』と呼ばれていた女性が映っていた。
傷跡の男たちに追われた翌日の夕方、通常業務を終えた大野クリニックのスタッフたちは地下のバーに集合し、『花本はぐみ』についての情報を松本から聞いていた。
「関東電機大の大学院から四葉電機か。かなりのエリートコースだな」
大野はカウンター内で、棚に並んでいる酒瓶を整理しながら言う。
「けど、いくら優秀な技術者でも、時限爆弾なんてつくれるものなの？」
ソファー席に寝そべるように座っている雅紀は、グラスのオレンジジュースを1口飲んだ。
「そりゃできるさ。いまの時代、爆弾の作り方なんてネットに幾らでも転がっている。一流の技術者がその気になれば、かなり本格的なものが作れるだろうな」
大野は酒瓶を覗き込み、中身が残っているか確かめる。
「……花本はぐみの専門は精密工学……時限装置を作るのにおあつらえ向きだ」
松本が平板な口調で大野に同調した。
「やだやだ、物騒な時代だよね」
雅紀はグラスを振ってカラカラと氷を鳴らすと、布巾でカウンターを拭いている奈美に声をかける。
「それで、赤羽さん……じゃなかった、はぐみさんはどうしているの？」
「疲れたみたいなんで、今日はお部屋で休んでもらっています。お昼に喫茶梓で昼食を摂ってもらったんですけど、嵐丸がすぐに近寄ってくるから落ち着かないみたいで」
「本当に猫が苦手なんだね。あんなに可愛いのに」
「可愛くなんてないですよ」
雅紀の隣に座っている櫻井は小声でつぶやいた。
「……もともと苦手だったわけじゃないらしい」
松本がPC画面を指さす。
そこには、満面の笑みで子猫を抱くはぐみの姿が映っていた。
「……名前で検索したら、この画像が見つかった。10年ほど前、学生時代に友人と撮った写真らしい。この時はネコが苦手じゃなかったようだ」
「嵐丸みたいな凶暴なネコに引っ掻かれて、苦手になったんじゃないですか」
櫻井は力なくつぶやくと、頭を押さえながらため息をついた。
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pecopeco125(プロフ) - 5人でいる今、でした。タイトルミスすみません。 (2022年3月19日 1時) (
レス) id: 9e262934ff (このIDを非表示/違反報告)
pecopeco125(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。 この度お願いがあり、メッセージ送りました。5人で今、のパスワード教えて頂きたいです。 よろしくお願いします！ (2022年3月19日 1時) (レス) id: 9e262934ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2022年1月9日 19時
