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最初のうちのメールは
『ドタキャンは仕方ないけど、理由を教えてよ』
『とりあえず返信してくれない？』
といった具合だったが、途中からは
『返信よこせって言ってんでしょうが！』
『翔、あんた私のこと馬鹿にしてるわけ⁈』
といった文面だけでも
聡子の怒りが想像できるようなものに
変化していっていた。
ああ、怒り狂っているな……。
櫻井は苦笑を浮かべる。
マンションの一室で死体を見てからというも
の完全に失われていた現実感が戻ってくるの
を覚えながら、櫻井は最後のメールを開く。
それは、わずか30分ほど前に送信されたものだった。
『翔、大丈夫なわけ？なにか変なことに巻き
込まれているんじゃないの？心配だからこの
メール見たら、とりあえず返事ください。
力になるからさ。 聡子』
聡子さん……。
画面に表示された文字を目で追いながら、
櫻井は歯を食いしばる。
気を抜けば嗚咽を漏らしてしまい
そうだった。
聡子に連絡を取りたい。
彼女に助けを求めたい。
そんな衝動が体を動かす。
ほとんど無意識に櫻井は、
スマートフォンの液晶画面に
聡子の電話番号を表示されていた。
しかし、『通話』のボタンに触れることは
出来なかった。
こんなことに聡子を巻き込むわけには
いかない。
櫻井は『連絡できなくてごめん。心配しなく
ても大丈夫だから』と聡子にメールを送り、
再びスマートフォンの電源を落とした。
聡子からのメールを読んだおかげで、脳細胞
が完全にフリーズした状態からは回復するこ
とができた。
これからどうするべきか？
答えは１つしか見つからなかった。
このあまりにも異常な状況、こんなときに
頼れるのはあの人達しかいない。
大野クリニックのみんな。
けど、あの人達を信じていいのだろうか？
櫻井は祈るかのように両手を組み、
この数週間の記憶を反芻する。
あの人達、大野クリニックのスタッフ達は
全員がまともとは言えない人物だ。
けれど彼らの常識外の行動の根本には
一本筋が通っていた気がする。
患者のために自らの特殊な能力を使う
という筋が。
それに、大野は居場所がなくなっていた自分
を受け入れてくれた。
仲間だと言ってくれた。
信頼していた三森に裏切られたことで、人を
見る目には全く自信が持てなくなっていた。
ただ、大野達なら、あのクリニックのみんな
ならこんな状態の自分を必死に救おうとして
くれる気がした。
行こう。
櫻井は正面を向くと勢いよく立ち上がった。
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔 | 作成日時：2021年9月24日 20時
