第３章−５− ページ2
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自動ドアが開く音が聞こえてくる。
机に突っ伏していた櫻井は小さく体を震わせ
顔を上げる。
学生風の若い男２人が喋りながら店内に
入ってくるところだった。
もう夜が明けたのか……。
櫻井は再びテーブルに突っ伏す。
疲労で血管の中を水銀が流れているかのように体が重かったが、どうしても眠ることは出来なかった。
昨夜、鍋島の遺体があったマンションから逃げ出した櫻井は、肉食獣に追われた小動物のように必死に、数時間は走り続けた。
そして、もはや一歩も動けないというところまで疲弊したところで、近くにあったファストフード店に入り、入り口から死角になる一番奥の席に陣取って夜を明かした。
テーブルの上には一口も手を付けていないハンバーガーとポテトが置かれている。
いまは何時なのだろう？
櫻井はテーブルに顔を付けたまま
腕時計を見る。
時刻はもうすぐ
午前７時半になるところだった。
三森教授から電話で呼び出されてから、
まだ半日しか経っていないのか……。
この半日で全てが変わってしまった。
このままでは自分は殺人犯の濡れ衣を
着せられる。
櫻井はのろのろと上体を起こすと、ジーンズのポケットからスマートフォンを取り出す。
この店に着いてすぐに、スマートフォンの電源を落としていた。
警察から電話がかかってくるのではないかという恐怖心が、櫻井の行動を支配していた。
鍋島の件はもうニュースになっているの
だろうか？
現在の状況を知りたかった。
櫻井はかすかに震える指で、スマートフォン
の側面のボタンを長押しする。
液晶画面に『WELCOME』という表示が灯り電源が入る。
櫻井は唾を飲んで画面を見つめ続けた。
すぐにスマートフォンがメールを
受信しはじめる。
しかも１通ではない。
明らかに10通以上のメールがネットを経由して送り込まれてくる。
もしかしたら警察からの……。
恐怖で心臓の鼓動が加速するのを感じながら
メールフォルダを開く。
メールの送り主を見て、櫻井は
大きく安堵の息を吐いた。
フォルダに溜まっているメールはすべて聡子
からのものだった。
約束をすっぽかされて怒った聡子がメールを送り、それに返事がないことでさらに激怒してまたメールを送り付けるというループになったのだろう。
過去にもこういうことがあった。
警察からの連絡がないことに胸をなで下ろしながら、櫻井は聡子からのメールの内容を確認していく。
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月24日 20時
