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角刈りの男は数秒間、櫻井を睨みつけたあと
大きくかぶりを振った。
「じゃあ、これからどうするんだよ？
こいつふん縛って、またその女を痛めつけて
話を聞くのか？」
「いや、こいつらを縛ったら消えるぞ。ガキ
を脅してもあれの場所を言わなかったんだ。
その女は何も知らねえよ」
オールバックの男は蹴りを食らった脇腹を
さすりながら顔をしかめる。
「そんなの分かんねえだろ。藤原のときみた
いに爪の一枚でも剥いでやれば……」
そこまで言ったところで、角刈りの男は言葉
を切って視線を上げた。
櫻井も耳を澄ます。
かすかにパトカーのサイレン音が
鼓膜を震わせた。
「ちくしょう！
てめえ、警察を呼んでやがったのか」
警察？
二宮達が呼んだのだろうか。
櫻井は無言で立ち尽くす。
「ずらかるぞ！」
オールバックの男が叫ぶ。
「ちょっと待ってくれ。
サングラスがどっかに……」
「そんなもん、どうでもいいだろ。
捕まりたいのか！」
オールバックの男が怒鳴りながら、
おぼつかない足取りで玄関に向かった。
角刈りの男は舌打ちするとオールバックの男
のあとを追う。
すれ違う瞬間、角刈りの男は銃のグリップを
櫻井のこめかみに打ち付けた。
櫻井はその場に膝をつく。
角刈りの男は満足げに鼻を鳴らすと
玄関に向かった。
２人が部屋から出て行き、扉が閉まる音が
鼓膜を揺らした瞬間、櫻井は座り込んだまま
酸素をむさぼりはじめる。
あまりの恐怖に呼吸すらまともに
できていなかった。
扉が開く音が響く。
櫻井と美寿々はびくりと体を震わせながら
玄関に視線を向ける。
「お邪魔しますよー」
軽い声が聞こえてきた。
玄関から入って来ていたのはあの男達ではな
く、二宮だった。
続いて松本、そしていつのまに到着していたのか、雅紀も室内に入ってくる。
「大丈夫だった？」
二宮の問いに櫻井は答えようとするが、
舌がこわばって言葉が出てこなかった。
「無茶したらダメじゃん！
撃たれでもしたらどうするの！」
二宮と対照的に、
雅紀は険しい顔で櫻井を怒鳴りつけた。
櫻井は喉の奥から「すみません」と
かすれた声を出す。
「まあまあ、撃たれなかったからいいじゃ
ないですか。結果オーライですよ」
「いいわけないじゃん！大ちゃんとは違うん
だよ。銃を持っている奴の相手なんて出来る
わけないでしょ！」
あくまで軽く言う二宮に、
雅紀は顔を紅潮させる。
その常識的な反応が櫻井には
なぜか嬉しかった。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
