第１章−５− ページ47
・
普通じゃない……。
こんなの、どう考えても普通じゃない。
目の前で繰り広げられる光景を眺めながら
櫻井は立ち尽くす。
「翔ちゃーん、どうしたのぼーっとして。
楽しんでる？」
肩を軽く叩かれた櫻井が横を見ると、
タキシードを身にまとった雅紀が
立っていた。
「……楽しめませんって、こんなの」
「えーせっかくカジノに来たんだから
楽しまないと」
雅紀は片手に持っていたシャンパングラスに
口をつけた。
なんでこんなことになったんだろう？
櫻井は自問しつつ、
この数時間の出来事を思い起こす。
2時間ほど前、櫻井は大野、相葉、二宮、
松本の4人とともにのカジノにやって来た。
藤原という男が経営しているという
裏カジノに。
奈美が運転するキャンピングカーで大田区
の外れにある港にやって来た櫻井達はそこで
車を降り、数日前に浅井正平から聞き出した
情報に従い、巨大な倉庫が連なる一角へと
やって来た。
危険だからと置いていかれた奈美は
不機嫌そうだった。
指示された巨大な倉庫に入ると、そこには
大量のコンテナが天井近くまで積み上げ
られていた。
コンテナで出来た迷路のような空間を進んで
いくと、倉庫の一番奥まった部分に小さな
鉄製の扉があった。
タキシードを着込んだ大野が扉脇の
カードリーダーに(浅井から脅し取った)
カードを通すと、鉄製の扉がゆっくりと横に
滑っていき、地下へとおりる階段が
露わになった。
その階段を下りていくとまた扉があり、
その脇に数字を打ち込むタイプの電子錠が
備え付けられていた。
電子錠に浅井から聞いていた5桁の暗証番号
を打ち込むと扉が開き、その奥にこのカジノ
が広がっていたのだ。
小学校の体育館ほどの空間には、
ルーレット、ブラックジャック、ポーカー
などのテーブルや、スロットマシンが並び
数十人の人々がひしめき合っていた。
ディーラー達の手つきは流麗で、かなり
訓練されていることをうかがわせた。
本当に東京にこんな所があるのか……。
退廃的でそれでいて魅力的な空気に
呆気にとられていると、大野が手を合わせ
「さて、ちょっと遊ぶとするか」と
言いだした。
それを合図に、大野達四人は人混みの中に
消えて行ってしまったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 757人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
