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「それはなんというか……。
ご愁傷様です。これから大変だと
思いますけど、頑張ってください。
……くれぐれもお気をつけて」
憐憫の籠った視線を向けてきた古手川は、
なにやら不吉なことを口にする。
「俺達は、古手川刑事の情報屋なんだよ」
大野はおどけるように言った。
「情報屋？」
櫻井は聞き返す。
「そう、刑事は捜査の際に情報を
提供してくれる人物を何人か持っている。
優秀でキャリアの長い刑事になれば
なるほど、多くの情報屋を確保してるんだ。
そして、この古手川刑事は、外見に
似合わずかなり優秀なんだよ」
「外見に似合わずは余計ですよ」
古手川は苦笑を浮かべる。
大野は笑いながら古手川に
「すみません」と言うと、
櫻井に向き直った。
「つまり、古手川さんは俺達から捜査に
役立つ情報を搾り取っていくってわけだ」
「いつも情報を搾り取られるのは
私の方じゃないですか」
古手川は肩をすくめた。
「ちゃんとその後、もらった以上の
情報を返しているでしょ。そのおかげで
解決できた事件だって多いはずですよ」
「まあ、たしかに」
古手川は鳥の巣のような頭を掻く。
櫻井は頭痛を覚え始める。
刑事と情報のやり取りをしている？
それで解決できた事件も多い？
いったいこのクリニックでは
何をやっているって言うんだ？
古手川はコップに残っていた
オレンジジュースをあおると
表情を引き締める。
「それで、話は戻りますが、
本日はどんな用でしょう？大野先生」
「古手川さんがいま捜査している事件、
バラバラ殺人事件について
知りたいんですよ」
「どこから聞いたんですか？
私が事件を担当してるって」
「どこからだって良いじゃないですか。
いろいろ情報網を持っているのは、
あなただけじゃないんですよ。
なんにしろ、あなたの班が担当で良かった」
「なんで大野先生があのバラバラ殺人に
興味を持つんですか？」
「患者の治療に必要だからです。
それ以上は守秘義務があるから言えません」
「私から情報を搾り取っておいて、
そちらは守秘義務ですか」
古手川は皮肉っぽく言う。
「いいじゃないですか。
あなたが本当に知りたいのは俺達の
患者のことなんかじゃなくて事件解決に
役立つ情報なんでしょ。情報を提供して
いただけたら、俺達はそれ以上のものを
返しますよ。……いつも通りにね」
「はいはい、それで
なにを知りたいんですか？」
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
