＊胸騒ぎ ページ22
･
『なんで透けないの？ねぇ！』
『透けてよ！透けてってば！！』
『にのっ！早くそこから逃げて！！』
____何度見ても嫌な夢だ。
最近またあの悪夢に魘されている。
どれだけ必死に叫んでも俺の声がニノに届いた事はただの一度もなかった。
どうすればこの悪夢を見なくて済むのか。気付けばその事ばかりを考えるようになってしまっていた。
夢を見るということは眠りが浅いということなのか。ならば早く寝ようと就寝時間を早めたり、寝る前に考え事をするから夢を見てしまうのではないかと精神統一をしたり。
けれど、どれも大した成果は得られなかった。ここまで何も無いとなると、
「正夢だったりして」
「へ？正夢がなんて？」
「あ、いや何でもない！
ただの独り言だから気にしないで」
悪夢をどうすれば見ないのかを考え過ぎて、ベッドの上で独り言だなんて。どうかしてるな、俺。
横で携帯を弄っていたニノが、「ふーん」と何か考えながら俺を見つめる。
「あ、そう。変な翔ちゃん。最近寝るの早いし全然遊んでくんないし、どーしちゃったのよ」
「そう？ニノ忙しいでしょ。
それに俺も最近何か疲れててさ」
自分でも分かりやすい嘘だと思う。バレてるんだろうなぁ、と思いながらチラッと横を見る。
「翔ちゃんが疲れる、ねぇ。ホントに。嘘つくならもうちょっとマシな嘘つきなさいって」
「嘘じゃないって、ね。もう明日も早いし寝た方がいいんじゃない？」
「まったく、、」
何とか丸め込んで布団を被る。
『じゃあ予定通り、来週のロケの時に』
相葉くんが家に来た時にニノが言ってたあの言葉。来週のロケ。恐らくその日は明後日だ。
なんだろう、この胸騒ぎは。
考え出すと思考は止まらない。
隣に感じる温もりが、
布団を引っ張るその手が、
なくなってしまう気がした。
寝る前に考え事をしない、というのは俺には初めから無理な話だったのかもしれない。
「ゃん、しょーちゃん！」
「に、の？」
目を開くと真正面にあるニノの顔。
握られている手。
少し湿っているシャツ。
「大丈夫？魘されてたけど？」
今日もまた、見た。あの悪夢を。
「大丈夫。何かよく覚えないけど、
変な夢だったかな」
「そう」
「ホントだよ？」
「ここのところ毎日でしょ？何かあったの？」
優しい。貴方は優し過ぎるんだよ。
「だいじょーぶ。ただの夢なんだから」
ねぇ、これがただの夢じゃないなら。
もしそうなら俺はどうしたらいいの？
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
