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なんやかんや言いながらも後日、教室で綺麗にラッピングされた例のものをジョングクに渡すとなんとも言えない良い顔をしていた。甘いお菓子を目にした彼が甘い表情をする。私の視界は糖で満たされたのだった







『私そういうの得意じゃないから、味は保証しないよ』


「またまた〜」








これはお昼に食べるんだとすぐにカバンの中に入れたジョングクが待ち遠しそうに授業を受けているのを見てこっちまで早く食べて欲しい気持ちになったのは恥ずかしいので口には出せなかった。







その日ジョングクがいない昼休みを狙ってなのか、私は彼と付き合ってるのかと問い詰められた。もちろんそんな関係ではないと否定したが女の子たちはどこか信じられないという表情だった。

















桜の木の下で行われた一件以来、時より彼の瞳に艶があるのを見るようになった。多分他の誰にも見せまいとする気持ちからか、クラスメイトと会う時にはそれが乾いている。







「今日、帰ろ。いい...?」






そういう日は必ず私を誘う。私もジョングクが泣いたことが分かれば断る理由もないのでそれを了承するのだった。駅までの帰り道たくさん話す時もあればあまり話さない時もある。今日は後者だった。






『もう秋になりそうだね』


「.....ん」






学校を辞めるという話はどうなったとか、聞きたいことはここ数日沢山あったけど、彼の瞳を見たら事態は何も変わっていないのだと聞けずにいた。まず、私は辞めるという事より、もっと深いところにジョングクが悲しんで涙を流しているのではないかと考えていた







あーあ、歯痒い。







『日も短くなってきたし』


「うん」


『今日はバイトないの?』


「明日からまた始まる」


『あ、じゃあ明日ご飯食べに行ってもいい?』







いいよってその道で初めて彼が笑った。私の前では見せてくれるようになった弱さに優越感を覚えながらも同時に苦しいという感情が生まれる。その姿を見る時はいつも息が詰まって透明な硝子1枚挟んだ向こう側にいる彼に届かないもどかしさが辛いのだ







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Labia(プロフ) - 1ちゃんさん» ありがとうございます。 更新致しましたので、是非見ていってください^ ^ (2020年8月18日 19時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)
1ちゃん - あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(泣)更新楽しみにしてます…(泣) (2020年8月13日 7時) (レス) id: 43879a9f7a (このIDを非表示/違反報告)
Labia(プロフ) - 1チャンさん» ありがとうございます!もっと1チャンさんをそのような気持ちにできるよう書いていきますね...!更新お待たせしないよう、頑張っていきます^ ^ これからも、『おやすみわたしの愛しき太陽』をよろしくお願いします! (2020年7月13日 19時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)
1チャン - Labiaさん» 読んでいてとても心が綺麗な気持ちになります(泣)更新楽しみにしてます! (2020年7月12日 14時) (レス) id: 43879a9f7a (このIDを非表示/違反報告)
Labia(プロフ) - なむさんさん» 文章が綺麗...嬉しすぎるお言葉ですね(;_;)私がお話を作るにあたって意識している部分です。素敵な作品と言っていただいて恐縮です!私の想像で出来上がった物語ですか更に素敵な作品だったと思っていただけるように頑張ります!素晴らしいコメントありがとうございます (2020年6月14日 2時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:iris | 作成日時:2020年5月13日 6時

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