ゴボウ ページ31
#Nagisa
「なぎさぁ……泣
助けて、助けて。お願い、助けて
お願い、私を1人にしないで」
渚「大丈夫だよ、ウチはどこにも行かないから」
「明日、舞台挨拶、行きたくないな」
渚「……」
「侑李、会いたいよ……
侑李に会いたい」
あの報道が出た日から紅は、ずっとこんな感じ
食事も喉を通らないし、夜も眠れない
眠れても、決まって侑李が死んだ日の夢を見てしまうらしい
「有岡さんに、酷いこと言っちゃった
有岡さん、大丈夫かな
今頃マスコミに追いかけ回されてるかも
有岡さん、死なないよね?」
渚「大丈夫だよ、きっと。
あの大貴くんだよ?
紅が冷たくあたっても全く挫けなかった大貴くんだよ?
彼はそんなに弱くない
マスコミや世間の意見になんか、負けない
大体、紅一筋の大貴くんだよ?紅を1人になんてしないよ」
「侑李は弱かったって言うの?
侑李は負けたって言うの?
侑李は、私を捨てたって言うの?」
渚「そんなこと言ってないよ」
「言ってるじゃん!!
侑李は私を捨ててなんかない!!
侑李は私を守ってくれた
侑李は、誰よりも強かった!!!」
渚「そんなこと言ってないって言ってんじゃん!
そんなに怒鳴らないでよ!!
侑李を失って悲しかったのは、ウチも一緒だよ!」
「もういい!
渚なんて大っ嫌い!
出てってよ、出てって渚!!」
泣きながら走るなんて
下手な映画じゃないんだから
紅を守らなきゃいけないのに
こんなことしてる場合じゃないのに
でも、ウチだって、侑李が死んだとき
悲しかったし悔しかった
侑李が弱虫だなんて、思われたくない
紅と、初めてケンカしちゃった
piriririri piriririri
渚「もしもし」
「あ!やっと出た!渚ちゃん」
渚「どーしたの?大貴くん」
「渚ちゃん、泣いてますか?」
渚「な、泣いてなんか、ないよ?」
「うーん……そっか!よかった
あの、紅さんと一緒ですか?」
渚「ううん、1人だよ」
「紅さん、大丈夫そうですか?」
渚「そんなの、知らない」
「え?」
渚「ケンカしたの、紅と」
「今から会えませんか?」
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作者名:あじゅ | 作成日時:2018年4月15日 14時