検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:40,732 hit

6-7 ページ25

その日の夜、居酒屋で平瀬さんの送別会が行われた


中盤に差し掛かった頃、飲み会が始まる前に監督が言っていた明日も練習があるからくれぐれも飲み過ぎないようにという言葉は誰も覚えていないんだろうなと周りを見渡してふと思った


今日の主役である平瀬さんは泣いている裕人に「なんで辞めるんですか、辞めないでください」と連呼されて最初は笑っていたが、今は少し引いている


そんな2人を笑いながら動画に撮っている内藤さんにあとでその動画送ってくださいと伝えた


立原さんと加瀬さんは端っこで陸上について語り合っていて、バラバラだけどいいチームだなぁと改めて思う


そんなことを考えていたらまた目に涙が溜まってきて、平瀬さんのもとへ駆け寄る


「平瀬さん、なんで辞めるんですか!辞めないでくださいよ!」


裕人の反対側を陣取り、平瀬さんの腕をつかみながらそう言うと「また一人増えた…」と言って疲れた顔をしていたが、少し嬉しそうだった


「平瀬さんのいない陸上部は想像出来ないですよー!」


「そうですよ!ムードメーカーがいなくなるじゃないですか!」


「大丈夫だって、これからは監督がやってくれる」


「「無理に決まってるじゃないですか!」」


声を合わせてそう言うと監督からの舌打ちが飛んできた


「今言ったのは裕人です!私は言っていません!」


「あ、お前ずるいぞ!」


「おい、俺を挟んで痴話喧嘩するな」


「「痴話喧嘩なんてしてません!」」


また声が揃った私たちに、周りが笑い声を上げるがその声を聞きながら幸せだな、と思った


その後笑顔で終わりたいという平瀬さんの希望で、しんみりした空気にはせずいつも通り飲み会が終わった


出発は明日の朝だが、今夜こっそり寮を出ていくだろうという加瀬さんたちの予想を信じ、私は家には帰らず裕人の部屋にいた


「相変わらず殺風景な部屋」


「男の一人暮らしなんだから当たり前だろ」


「かわいそう」


「うるせえ」


「寝ちゃわないようにしないと」


そう言いながらベッドに寝っ転がる


「お前はよく平気で男のベッドに…」


「なに?」


「なんでもない」


「そういえば裕人って彼女とか作らないの?」


「は?」


「いたことなくない?私が知らないだけ?」


「うるせえな!俺だって彼女の1人や2人いたこと…」


「ないんだ」


「お前出てけ!」


なんて会話をしているとドアをノックする音が聞こえた

6-8→←6-6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
設定タグ:陸王 , 毛塚直之 , 茂木裕人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

れな(プロフ) - ゆうにゃさん» ありがとうございます!ゆっくりな更新になってしまうと思いますが、これからもよろしくお願いします! (2018年1月13日 21時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃ(プロフ) - すごく面白いです!続きが楽しみです!更新大変だと思いますが、応援してます! (2018年1月4日 0時) (レス) id: 76af58504e (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 陸王最終回号泣さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2017年12月30日 17時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
陸王最終回号泣 - めっちゃ面白いです これからも更新楽しみにしています! (2017年12月28日 13時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ぽんすさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひな | 作成日時:2017年12月11日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。