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次の日の朝、直の熱はすっかり下がり元気そうに仕事へ行くのを見送った


その後自分も出勤しながら今日が平瀬さんのラスト練習だなぁなんてぼんやりしながら歩いていると後から声をかけられた


「おはよ」


振り向くと裕人が立っていた


「おはよう」


挨拶をして私たちは並んで歩き出す


「なんか、今日で平瀬さんが辞めちゃうなんて想像つかないね」


「あぁ」


「平瀬さんがいない部活も想像つかないね」


「あぁ」


さっきから上の空な裕人に文句を言ってやろうと口を開くと上から鼻をすする音が聞こえてきた


「…泣いてんの?」


「泣いてねぇ!」


「昔から泣き虫だもんね裕人くんは」


「やめろ」


「今日の送別会でも大号泣なんだろうな裕人くんは」


「うるせぇな。俺先に行くからな!」


「いいけど、裕人が今朝革靴で走って足痛めてましたって監督にチクるからね」


「すみません」


その後朝練をいつも通り終えて、午後練前に監督と軽く打ち合わせをして競技場へ向かう


「もうこれで平瀬さんと出来る練習は最後なんですね」


「そうだな」


「やっぱり気が変わって辞めないとかないかなぁ」


「あるわけねぇだろ。男に二言はねぇんだよ」


「私平瀬さんの二言は許します」


「許すな」


なんて会話をしていると競技場に着き、平瀬さんはいつも通りストレッチをしていた


「平瀬さん」


「おー、Aちゃんお疲れ!」


「お疲れ様です」


「顔が暗いぞ、笑顔笑顔!」


「誰のせいだと思ってるんですか」


「え、俺!?」


そう言ってとぼける平瀬さんに笑みをこぼす


「Aちゃんにはいつも笑っててほしいんだ」


「え?」


「Aちゃんが笑ってるだけであいつらのパワーになるから」


「そんなこと…」


「あるよ。俺がそうだったから。短い間だったけどありがとな」


そう言って平瀬さんは私の頭に手を乗せる


「練習前にやめてくださいよ…」


平瀬さんの言葉に涙を浮かべた私は零れないように上を向く


「え、ちょ!Aちゃん!?泣かないで!?」


「うわー、平瀬さんがAちゃん泣かしてるー」


「最低ー」


内藤さんたちからの冷やかす声が聞こえ、平瀬さんがもっと動揺しているのがわかった


「ばか、泣かせてねぇよ!」


「監督に言ってこよー」


「ちょっとやめて!最後の最後に監督に怒られたくない!」


そしていつの間にか私たちは笑顔になっていた

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れな(プロフ) - ゆうにゃさん» ありがとうございます!ゆっくりな更新になってしまうと思いますが、これからもよろしくお願いします! (2018年1月13日 21時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃ(プロフ) - すごく面白いです!続きが楽しみです!更新大変だと思いますが、応援してます! (2018年1月4日 0時) (レス) id: 76af58504e (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 陸王最終回号泣さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2017年12月30日 17時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
陸王最終回号泣 - めっちゃ面白いです これからも更新楽しみにしています! (2017年12月28日 13時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ぽんすさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2017年12月11日 3時

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