陸王 2

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箱を開けて財布を確認した直は嬉しそうに笑った


｢ありがとう。財布そろそろ買い換えようかと思ってた｣


｢ほんとに？よかった｣


｢じゃあ俺からはこれ｣


そう言って直はテーブルの上に小さな箱を置いた


｢開けてみて｣


リボンを解いて箱を開けると中にはシンプルな指輪が2つ入っていた


｢え｣


驚いて直を見ると優しい顔で私を見ていた


｢貸して｣


と言って直は指輪と私の右手をとる


そして指輪をゆっくりと薬指にはめた


｢よかった。ぴったりだ｣


｢ありがとう。嬉しい｣


｢俺にもつけて｣


そう言って直は右手を出す


箱から指輪を取り出して、直の指にはめる


2人の指にはめられた指輪を見て、嬉しくなった私は直に抱きつく


｢すごい嬉しい｣


｢喜んでもらえてよかった｣


そして私は首元に埋めていた顔を離して、直と向き合う


｢A、好きだよ｣


｢私も好き｣


そう言って私たちはどちらからともなくキスをした


次の日の朝、目を覚ますと私は昨夜直が着ていたＴシャツを着ていて、隣に目を移すと上半身の裸の直が寝ていた


｢風邪ひいたらどうするの…｣


そう言うと直の右手が視界に入り、その横に自分の右手を置く


お揃いのペアリングを眺めてニヤニヤしていると急に抱きしめられた


｢びっくりした！起きてたなら言ってよ…｣


｢今起きた｣


その言葉を聞いて私も直の背中に手を回し、ベッドの中で向かい合う


｢ちゃんと服着てから寝てよ。風邪ひいたら大変｣


｢それAが言う？｣


と、直が笑いながら私に問いかける


｢じゃあもう少し加減して｣


｢無理｣


そう言って直は私の上に覆いかぶさる


｢まだ時間あるよね？｣


｢ない｣


｢嘘つき｣


直は私の手を握り、悪い顔をして私を見下ろしていた

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