七話 ページ8
「流石は土方さん。よくお分かりで。」
皮肉な笑みを浮かべながらそう述べれば、土方さんは
ハッと鼻で笑った。
「伊達に真選組の副長(ずのう)名乗ってねーよ。俺の様な頭脳派もあっての真選組だろーが。」
ククッと喉を震わせ、笑いながらもポツポツと
言葉を漏らす土方さん。
「なんでィ、遠回しに頭良い宣言ですかィ、土方コノヤロー。」
何時もならここで怒鳴り散らし怒る土方さんだが、
今回の内容が内容なので、そこは冷静に判断し
怒りをどうにか収めたようだ。
『それにしても、参りましたね。こんな魂胆があったんじゃ、私達も迂闊に行動できませんよ。もしかすると、殺されちゃいますかもね。』
ふふっ、と意地悪く笑えば
笑い事じゃねーよ
と土方さんが呆れたように言った。
「総悟、(人1)ちゃん。今回の任務、大変危険なのは承知だ。だが、これは真選組存命の危機でもある。どうか、無事終わらせてきてくれ。」
今まで黙って居た近藤さんだが、口を開くなり
そう述べ、私達に向かって頭を下げた。
私と総悟はすぐさま頭を上げるよう言った後、
「嫌だなァ、近藤さん。俺達が断ると思いで?」
『そうですよ、みすみすと真選組を潰すような真似したくありませんし、汚れ仕事なんてもう、今更でしょう?.........もうこの手は血で真っ赤に染まってるんですから。』
私はそう言い、手の平をじっと無言で見つめた。
私のこの手は、今まで斬って来た攘夷浪士、
死んでいった仲間達の見えない血で紅く染まっている。
私はこの先ずっと、ずっと。
死んだ者達の命の重みを背負って生きていくんだ。
そんな私を隣にいる総悟、前に居る土方さん、近藤さん
が眺める。
「ッ...、すまないな。(人1)ちゃん、女の子にこんな事、やらせて。普通なら、そこらの町娘の様に女の子らしい事して、恋をして、好きな男と添い遂げたいだろうに。」
苦しそうな顔で近藤さんが言う。
あぁ。そんな顔させたい訳じゃないのに。
貴方のキャラじゃないでしょう、近藤さん。
何時もみたいに笑って下さいよ。
『もうッ、近藤さん。戦場では男も女も関係無いですよ!!私は武州を出る時にちゃんと覚悟はしていました。それに、今更私に嫁の貰い手なんて来る訳ないでしょう?』
そうやって自らを笑うように苦笑いで述べた。
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黒猫♪♪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2018年2月3日 13時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 続きが気になって仕方ありません!!! (2016年12月27日 22時) (レス) id: 7676931304 (このIDを非表示/違反報告)
磯辺もち - こんにちは!。わたし暗殺教室と銀魂大好きでこういう作品待ってました!。本当面白いです。これからも楽しみにしてるんで更新頑張ってください。応援してます!。長々とすみませんそれでは!(・ω・)ノ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 7d9637dffb (このIDを非表示/違反報告)
血紅桜 - 超楽しみにしてますね!!(返信は大丈夫ですよ) (2016年3月26日 16時) (レス) id: b0ef7b1cd8 (このIDを非表示/違反報告)
きちせ(プロフ) - 血紅桜さん» おああああああ!!!!!!!!コメントありがとうございます!!応援して下さるとは感謝感激ひなあられです!!!(古い)オチはですねー、銀魂キャラの中から決めようと思ってまして、候補としては、真選組のメンバーから決めたと思ってますww楽しみにしてて下さい(( (2016年3月26日 15時) (レス) id: 8c878fdf7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろくま | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月26日 13時