個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです (ページ4)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:95,046 hit

可愛いなあページ4

口をパクパクさせて、汗ダラダラの天喰くんに、私はハッとした。

……この人極度のコミュ障だった……！！

どうしようか、と気まずい沈黙が流れた。うっ、ごめんなさいっ！！

『あっ、えと……私、1年の文郷Aっていいます！遠くから見た時に、何か探してるのかなー、と思いまして……』

声をかけてみたんですけど、と小さな声で付け加える。

すると、天喰くんは「あ」と声を漏らした。

天喰「あ、その……えっと、ごめん…わざわざ……」

まず1番に謝る天喰くんに疑問を感じた。

『何でそこで貴方が謝るんです？私が勝手に声をかけたんですよ？』

天喰「いや、だって……」

『だってもでももないんです』

うっ…と縮こまる天喰くん。あちゃ、強く言いすぎたかな……？

『あっ、偉そうにごめんなさい！！』

ガバッとお辞儀をすると、天喰くんが更に動揺したのがわかった。

天喰「え、あ、ちょ……頭上げて…！」

オドオドしている天喰くん。可愛いなあ。

『……あ、そうだ。ところで、何を探してたんですか？』

天喰「……ちょっと、消しゴムを……」

『……消しゴム』

天喰「ご、ごめん…せっかく声かけてくれたのに…しょうもなくて」

なんか意味わからん理由で謝ってくる天喰くんの肩をガッとつかむと、「ひっ」と小さな声が聞こえた。

天喰「ごめ……」

『めっちゃ大事な物じゃないですかー！字とか間違えちゃったら無茶苦茶困るやつじゃないですか！シャーペンの消しゴム使おうにも、ちょっと消えにくいのとかありますし！』

天喰「……え」

きょとんとしている天喰くんを見て、コレは大変だ、と思う。

消しゴム大事だよね！

『そんな大切なものを……私も探すの手伝います！』

天喰「え！？」

ガサガサと茂みをかき分ける。んー、どこだろ……。

天喰「だ、大丈夫だよ、君がそこまでしなくても…！」

『しますよ！なかったら先輩困りますよね？』

少なくとも私は困る！

『あっ、どんなやつですか？先輩の消しゴム』

天喰「え……普通のだよ、白い、四角の……」

『了解です！！！』

それを聞くと、私は消しゴムの捜索を再開させた。