個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです (ページ5)

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くっ……おのれ消しゴム……！！ページ5

『……見つかりませんね……』

天喰「うん……本当にごめん……」

あれから30分近く探しているが、見つからない。どこ行った消しゴム。

その30分の間に色々話した。

どうやら、消しゴムは廊下で同級生にぶつかった時に、たまたま開いていた窓からこの辺りの茂みに落ちたみたいだ。筆箱の閉め忘れには気をつけなければ。

『これ程まで見つからないのもかなりレア……！』

これはもう見つけるしかないじゃないか！！

天喰「もういいよ、仕方ないし……君も早く寮に戻った方がいいよ」

『え、でも……』

天喰「でも、ありがとう。……嬉しかった」

へにゃ、と笑った天喰くんに、心の中で叫ぶ。
どーこーまーでー可愛いの塊なんだ君はーー！！

『ぐ……でも、困りますよね、どうしよ……あっ！！』

ぽん、と手を叩いた。

私は急いでリュックを開き、中から小さな紙袋を出した。

『どうぞ！』

天喰「え？……これは？」

『消しゴムです！私、この前買ったんです。新品ですし、もらっちゃってください』

いやー、もっと早くに気付けよ私ー。

天喰「そ、そんな……受け取れないよ！君のが無くなっちゃうじゃないか……」

『私まだ自分の部屋にあるんです』

ね？と笑うと、渋々受け取ってくれた。あざます。

天喰「……本当にいいの？」

『勿論ですよ！』

天喰「……1年の寮のところまで送っていくよ」

『え、いいんですか？』

天喰「うん、ちょっとしたお礼。それに、暗くなってきて危ないし……」

『……じゃあ、お言葉に甘えて』

なんだなんだ、紳士的じゃないか天喰くん！！！見直したぞぅ！

～～～～～～～～～～～

寮に着いた。

『ありがとうございました、わざわざ』

天喰「ううん、こっちこそ……迷惑かけちゃって……」

『それは大丈夫です』

それじゃ、と手を振って帰った。

天喰「……あっ、名前、言うの忘れてた……失礼なことしちゃったな……」