ネオメロドラマティック(yb×in) (ページ20)

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１ヶ月後ページ20

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in side

最近、思う。

"三度目の正直"

"二度あることは三度ある"

一体、どちらが正しいのだろうかと。

薮は今までに、二度、俺に土下座をしたことがある。

人生で "最悪だ" と思った日が、二度もあったのだ。

もし、

三度目があろうものなら、

俺は薮を殺してしまうかもしれない。

―――――

『♪いこうか、にげようか』

トントントン、包丁がまな板をたたく音。

『♪きみがのぞむままに』

ぐつぐつぐつ、鍋が煮込む音。

『♪こうか、ふこうか』

ザーザーザー、蛇口から水が流れる音。

いつもと変わらない、晩ごはんの準備。

『♪ネオメロドラ…』

塩を取ろうとして、ふと、手を止めた。

歌を口ずさみながら料理をするなんて、

いつぶりだろうか。

思い返してみるが

独りでこの部屋にいた時の記憶なんか残ってなくて、

『ははっ』

どれだけ俺はこころを病んでいたんだろう、と笑ってしまった。

別に特別なことは何もない。

しいて言えば、

ガチャ

「ただいま、伊野尾」

恋人の帰る場所が、この部屋になったということぐらいだ。

『、おかえりなさいっ!!』

俺はあわてて火を止め、

いとしいその身体に、ぴょん、と抱きついた。

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