94日目 ページ14
男というのはつくづく馬鹿な生き物だ。
山崎に聞いた港に着いた私は、ただそう思った。
ある倉庫の上から飛び降り、足を撃たれて座り込んだ土方さんの前に出る。
土方「なっ、一ノ瀬!?」
『足撃たれたくらいで何座ってるんですか?"トシさん"』
囲んでる奴らを一掃して、土方さんを支えながら倉庫の奥深くへ入る。一人一人は弱いが、数が多く武器も揃ってる分、体力の消耗が激しい。体力つけるのと、1対複数の稽古でもするかな。
土方「なんで来た」
『私、元々商人って嫌いなんですよ。ミツバ姉さんを自分の物みたいに扱う所も気に食わない。ただそれだけです』
商人なんて大嫌いだ。アイツらは金のためならなんだってする。そして、そういう奴らに限って裁かれないのだ。思い出しただけで腸が煮えくり返る。
私の言葉に土方さんはフッと笑い、広場に出た。
待ってましたと言わんばかりの人、人、人。上には蔵場当馬の姿もある。
蔵場「残念です。ミツバも悲しむでしょう。古い友人を2人も亡くすことになるとは」
気安く呼ばないでもらいたい。殺気を込めて蔵場を睨みあげる。
蔵場「あなた達とは仲良くやっていきたかったのですよ。あの真選組の後ろ盾を得られれば自由に商いができるというもの。
そのために縁者に近づき縁談まで設けたというのに、まさかあのような病持ちとは」
刀を握る手に力が籠る。それからもツラツラと話し続ける蔵場。そろそろ我慢ができなくなってきた時に土方さんが口を開いた。
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作者名:涙輝 | 作成日時:2023年3月20日 16時