Twilight 《Ren.N》

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いつもよりも大急ぎで着替えて


店長さんやほかの店員さんに

お疲れ様でしたと告げてから



彼の元へ直行します






『廉くんお待たせ！』





彼は漫画本コーナーにいました







「おー、お疲れさん」






私を見るなりフッと目を細めて

顔にシワを作りました






本屋を出ると、前は無かった月が少し出てきて




三日月よりも少し細い月が

明るく煌々と輝いていました






廉くんの隣は、歩きやすいです





その長い脚で私の歩幅に合わせて

ゆっくり、ゆっくり歩いてくれます





試しに歩幅を小さくしてみると

廉くんの歩幅も小さくなって



今度は歩幅を大きくしてみると

廉くんの歩幅も大きくなりました




私は何だかそれがとても嬉しくて

ふふっと笑います







「どうしたん？変なやつー」






廉くんに怪訝そうな顔で見られますが

別に構いません






『廉くんの優しさが目にしみて』


「それを言うなら身にしみてな」


『……身にしみて』


「よく出来ました花まるあげるわ」





宙にくるくるーっと花まるを描く指先は


紫耀よりもずっとずっと細くて




今隣に居るのは

紫耀じゃないんだと実感しました





すると、廉くんは急に私の鼻をつまみます







「今俺以外の人のこと考えたやろ」


『いひゃいいひゃいごめんっへ』


「うおー何言っとるかわからへん」







大爆笑しながら廉くんは私の鼻をパッと離します









「俺とおる時は、俺の事以外なーんも考えやんといて？

何も考えやん時間っていうのも、Aにとって大事やと俺は思うから」









どれだけ優しくすれば気が済むのでしょうか


廉くんといると心がポカポカして、たまったもんじゃないです。







『…優しくし過ぎだよ。もうなんなの廉くん』


「ふはっ、怒る所ちゃうで」


『嬉し泣きみたいな嬉し怒りだから！』


「…やっぱお前面白いわ。俺も嬉し怒り使おーっと」






ありがとう、の意味を込めて

廉くんの手をポンポンと2回叩くと





触れた部分がすごく熱を帯びたけれど


少し涼しい夜風に吹かれて


すぐに熱は戻ってゆきました




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漢字のミスのご指摘を受け、

直させて頂きました。


申し訳ございません。ありがとうございました


また何か気になる所などあれば、

ご指摘頂けると幸いです

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