10話 ページ14
10話(人2)
お姉ちゃんは、本当に私のことを覚えてないようだった。
…怒鳴られたしねー、あはは
まぁ、お姉ちゃんが倒れてしまったため、相澤先生が保健室まで運んだ。
私はついてこいと言われたため、黙って相澤先生の背中を追いかけた。
相澤｢さぁ、話してもらおうか｣
相澤先生がお姉ちゃんをベッドに寝かせ、私の方を見てそう言った。
｢えー、そーですねー…。あれですあれ、生き別れの兄弟〜、みたいな！｣
相澤｢みたいな、じゃなくてそうなんだろ？｣
相澤先生は真剣な顔だった。
それほどまでにお姉ちゃんを気にかけているのだろう。
そう思うと、少し真面目に話そうと思った。
｢…私が3歳くらいの頃かな。父の暴力が激しかったんです。そんな私を庇ってくれたのがお姉ちゃんでした｣
柄にもなく、テンション低めにそう言った
｢その、実は本当の姉っていう確証はないです。もしかしたら赤の他人かも知れませんし。その時はまぁ、素直に謝りますけどね！ははっ｣
やはり私はテンションアゲアゲ方面じゃないとやっていけないらしい。
これはもはやクセだね
そんな態度の私に先生はまた真剣に言った
相澤｢…確証はあるんだろ｣
｢…はっ？いやあの、聞いてました？確証はないって…｣
相澤｢神崎(人2)は光闇(人1)の妹。これは事実だろう。(人1)の反応からしても、間違っては無さそうだ｣
｢いやあのー？せんせー…？｣
相澤｢お前の記憶には確かに(人1)がいる。それが答えだ｣
｢…相澤先生…｣
……なにが？
正直、いいこと言ったっぽいこと言われてるような気になるけど、あの、意味がわかりません相澤先生！
｢ふー…まぁ、はい。そーゆー事です！この先はお姉ちゃんが話すか話さないかで、この件は終わりです。覚えていないのなら、無理に思い出させなくて結構ですので！｣
私はそう言って、では、と保健室から出ていった。
｢ただいまー｣
家に帰り、そう声をかけると母からの『おかえり』と言う声が聞こえた。
……いつか、お姉ちゃんにも言って貰いたいな。
なんて！
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作者名：まりやと時雨 x他1人 | 作成日時：2018年8月16日 14時
