○２９ ページ29
『何度もあったよ？長い時は5年とかね･･･行きたくない理由何だろ、』
虚ろとは違う目が空を見つめる。
爆豪は答えを待ちながらジャガイモを湯の中に入れて行く。
落ち着いている千人に違和感を感じ、その気持ちの悪さに手を伸ばした爆豪の手に髪が触れ、それに爆豪を見る千人。
『･･･そっか、』
｢？｣
『君がいるからだ。』
スッキリとした顔をする千人。
一方でそれを言われた爆豪はその意味の捉え方が分からずにいた。
｢それ、どういう意味だ｣
『？、そのままだよ？君がいるから、君との時間が楽しいからだから離れ難い。おかしいかな？』
｢･･･おかしいだろ｣
今までそんな言葉も、そんな風に自分を見せるような表情もしなかったのに、なんで今なんだよ。
いつの間にか意識が飛んでいたのか鍋から水が吹き始め、千人が慌てて火を止めに入る。
『びっくりしたー君にしては珍しいねぇ、どしたの？･･･ねぇ？』
顔を覗き込む千人を睨むこともせず見つめる爆豪に、どうしようもなく爆豪を真似てジャガイモを近くのザルに上げる。
湯気が立つシンクを背に千人は爆豪を静かに肩口に抱き寄せた。
『君の感情を知らないわけじゃない。また帰ってくる。』
｢またっててめぇのそれはいつになんだ、｣
『･･･短くて1年、長くて･･･』
ずっと、小さく囁かれた言葉に爆豪は静かに受け入れていた。それに反して荒れていたのは心だった。
俺の気持ちを知ってわざわざこんなことをしているのか？それなら黙って消えろよ、なんで言ったんだ。ぐるぐると巡る思考を察した様に千人は言葉を続けた。
『いつになるか分からない、それなら君と沢山話したくてね。君のお願いも聞きたい。どう？私にしてはいいとは思わない？』
｢･･･思わねぇよ、クソが｣
千人は爆豪がいつもの調子に戻ってきたことを確認するとよし！飯！と爆豪に気合いの一声を入れる。
作られたのは大量の唐揚げとポテトサラダは軽く10人分はあったはずなのにぺろりと平らげた。ご馳走様、と手を合わせる千人を爆豪は遠い目で見つめた。
食後、デザートも済ませていつもの様にソファに座る。千人はお決まりの様に爆豪に凭れた。
『さて、お願いとかない？あれば聞くよー？』
どんとこい、と構える。
爆豪はそんな千人を横目に静かに息を吐く
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
