HARU 【男主】【HQ!】

: プロローグ ページ1

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春はあんまり好きじゃない。

花粉はあるし 急に体調崩したりするし
1年かけて慣れた環境はすぐにリセットされて
「はい今日からこの環境ね」ってなるの、すげーきらいだし

春は出会いと別れの季節なんていうけど
出会いも別れも苦手でただそのまま毎日を過ごしたい。






バレーはすき。

狭いコートに12人 ひたすらボールを落とさないことにだけ意識を向ける。
単純なのに複雑でたくさんの思考が凝縮されてて
そんで、ただやってるつもりなのにいつのまにかハマったりするから。

頭がいいとか悪いとか世間的な価値があるとかないとかそんなのここに入ればどうでも良くて、ただ全員馬鹿みたいにボールを追うのは居心地がいい。










「……A？なんでそんな深刻な顔してるの」
『…ううん、おれバレーめっちゃ好きだなあって』
「木兎さんみたいなこと言うんだね」
『好きって言っただけなのにあの人と一緒にされんの、おれ』







ふふ、と笑う同い年につられて笑う。

同じ意識を持った仲間がいることは、なによりも恵まれていることだと知っているから。
相手にボールを落とさせるために活躍するんじゃなくて、仲間のためにボールを落とさない役割が自分は好きだと思ったから。







「ハル！あかーし！練習するぞ！」
「はい！ほら、A行こう」

『うん、いこう』






今日も、おれはバレーをする。









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