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クロユリの蜜に漬け込んで、4*nb ページ7

佐久間の家まで蓮を迎えに行った涼太。

ゆっくり休んでるよう言われた俺は、ひとりリビングでボーッとしていた。


インターホンが鳴ったけど、ダルくて居留守。

…だけど何度も連打されるインターホン。

挙句の果てにはドアを乱暴に殴られ、やっとボーッとしてる場合じゃないと理解した。


「や、やば…警察っ」


寝室に置きっぱなしのスマホを取りに行こうとした時、












カチャリ、












閉めていたはずの鍵が開き、ゆっくりとドアが動く。

思わずその場に硬直してしまう。




「合鍵作っちゃった〜」




喉が息を飲む音が脳内に響いた。

不気味な笑顔で入ってきたそいつは、靴も脱がずに迷わず俺の方へ歩み寄ってくる。


「やめ、っ来んな!!」


ソファに置いてあったクッションを引っ掴んで投げたけど、柔らかいそれは大したダメージにならないみたい。

なんとか寝室まで走り、充電器に差しっぱなしだったスマホを取る。

警察に通報しようとした瞬間、後ろから抱きつかれ、そのままベッドに雪崩れ込む。


「わざわざベッド案内してくれるなんて、やる気満々じゃん?」

「ちっげぇよ!離せ!!」

「ねぇ翔太、キスしよ」

「絶対やだ!!」


すんでのところで躱した唇は頬に当たる。

涼太からのキスはあんなに嬉しいのに、こいつのは気持ち悪さしかない。

足をばたつかせても簡単に抑え込まれて、異常なまでに冷たい手が服の裾から腹を撫でてきた。



「お前が悪いんだよ…?宮舘なんかと結婚しやがって…」

「涼太の何を知ってんだよ!なんかとか言うな!」

「あいつとガキ作れるんだから、俺とも作れるよな!?」

「〜〜っ!!」


半ば破るみたいに服を脱がされて、涼太にしか触らせたことないところも露わになる。

恐怖と悔しさで、かたく瞑った目から涙がこぼれた。







いやだ、たすけて。










「い゛っ!?」

「…へ?」


ゴン、と鈍い音がしたと同時に、覆いかぶさってた男が目を回しながら床へ転げ落ちた。

恐る恐る目を開けると、震える手にゴマ油の大容量ボトルを抱えた阿部が立っていた。


「…はぁっ、はぁっ…わ、渡辺さん…大丈夫ですか!?」

「……っ、なんで、」

「先日ご馳走になったので、買い物帰りにたい焼きを買ってきたんです。…玄関が開いてたから、勝手に入っちゃった…」

「…ぁ、ありがと…助か……っ、」


情けなくぽろぽろ泣く俺に上着を掛けながら、阿部はやさしく背中をさすり、警察に連絡してくれた。

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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます!平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…!笑 これからも応援してます!! (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:谷森山 | 作成日時:2024年1月15日 10時

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