だいじょうぶだもん！3*sk ページ11
次の日も康二は、俺たちのベッドに潜り込んできた。
日中は楽しいことで忘れてても、お風呂と布団に入る時思い出して怖くなっちゃうんだって。
阿部ちゃんは施設で康二と寝てたみたいだから慣れてるらしいし、俺も川の字で寝るのは本当の親子みたいで嬉しかった。
「…さっくん、さっくん」
「ん、……どしたの康二？寝れない？」
「んーん、といれ…」
「……あ、トイレ？やっぱ怖いか。じゃあ一緒に行く？」
「うん…」
深夜2時。
康二に肩を揺すられた俺は、阿部ちゃんを起こさないように康二とベッドを抜け出し、暗くて寒い廊下の電気をつける。
暖かい布団から一転、廊下の凍えるような寒さに、眠気はすっかり俺から逃げてしまった。
用を足した康二は相変わらず眠そうに瞼をこすり、それでも怖いのか周りをキョロキョロしてる。
体温を分けてもらおうと抱き上げて寝室へ戻ると、ベッドの阿部ちゃんがのっそり起き上がった。
「…あ、ごめん起こした？」
「ぃぇ、…ぉぁょ…」
「ふふ、寝ぼけてんね」
ぴょっこり寝癖のついた髪を撫でながら、康二を布団に下ろす。
目が開いてるのか微妙な阿部ちゃんを抱きしめると、すっげぇあったかい。
やわらかい頬に指を擦り寄せてキスをすれば、驚いたように肩が跳ね上がるのがわかった。
「！？！！？！？」
「へへへ。ほら、もっかい寝よ」
次の日も、その次の日も。
康二は怖いからと言ってベッドに潜り込んでくる。
う〜ん、さすがに3人で寝るのは狭いぞ。
阿部ちゃんは朝から首が痛そう。俺も寝違えてるわ。
朝食を箸でつつきながら、口いっぱいに白米を詰め込む康二の頬をちょいとつっついた。
「康二〜、まだ怖いの〜？」
「もご…なんで？おれとねるの、いや？」
「そんなわけないじゃん！…もしこのまま3人で寝るなら、ベッド大きいやつ買おうかなって」
「佐久間さん、あんまり甘やかさないでください。康二はもう5歳だもん、お化け怖くないからひとりで寝れるよね？」
「…んぅ、……おばけ、…」
康二は少しだけ考えた後、パッと顔を上げて微笑む。
「だいじょうぶでぁもん！」
「…ぶはっ！何それ！？大丈夫だもんを噛んだのいま！？」
「あははは！全然大丈夫じゃなさそう！」
「ちゃうもん！だいじょぶやもん！」
「ふふ、っ…そっか、大丈夫か……ぶっ、ふふふふ」
「ふたりとも、わらわんといてやぁ！」
恥ずかしさからか俺の肩をポコスカ殴る康二。
…うーん、かわいいね。
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
