花冠にはすずらんを【雪男】

神頼みなんてしなくても。*sk ページ44

「いぇ〜い！あけおめぇ！」

「今年もよろしくお願いします」


だいぶ眠そうだった阿部ちゃんと、一緒に新年を迎えた。

俺も起きてる！って駄々こねてた康二は、寝室ですっかり夢の中。


「明日はみんなで初詣行こうね！」

「はい。楽しみです」

「じゃあ俺らも寝よっか」


欠伸が止まらない阿部ちゃんとベッドへ入れば、5分と待たずにかわいい寝息が聞こえてくる。


(…今年もよろしく、か)


阿部ちゃんの口からその言葉が出て来てくれて嬉しい。

だって今年も、俺の隣に居てくれるんでしょ？

夏まではひとり暮らしが楽だと思っていたのに、たぶんもう1人には戻れない。



「……ふふ。かわいい」


俺と阿部ちゃんふたりで寝るには、少し狭いベッド。

阿部ちゃんは寝相も良ければイビキもないのでとても快眠できる。

それに寒い夜はこうやって、抱きしめてやるとちょこっと胸に擦り寄ってくるのがたまらない。


(…今年もこのかわいいふたりを、1番近くで見守れますように)















「しょっぴーと、けっこんできますよぉに！」

「！！？！？」

「ひゃ〜！俺も蓮と結婚したい〜！」

「ちょ、ダメだよ！？蓮、翔太はもう俺と結婚してるから違うお願いにしなさい？」

「…ぇ、ふぇっ」

「あらら、蓮おいで。涼太、泣かせるなよ〜」

「俺が悪いの！？」





「照がチョコで冷蔵庫を満杯にするのをやめてくれますように」

「…じゃあ、ふっかの卵焼きが消し炭から上達しますように」

「なにおう！？エアコンついた部屋のドアを開けっ放しにする癖を直してくれますように！」

「食器用洗剤と洗濯洗剤を詰め替え間違える癖が直りますように！」

「あぅ〜ぁ！キャハハハッ！」





「みんなでたくさん、あそべますよーに！」

「…ふふ、そうだね」

「佐久間さんは何をお願いしたんですか？」

「ん〜？阿部ちゃんが敬語をやめてくれますように」

「…へ、」

「あわよくば大介さんって呼んで欲しいね。新婚さんみたいじゃない？」

「いや結婚してないです」

「さっくん、けっこんするん？」

「そだね〜、あと3年後くらいに」






それぞれの家庭でお願いの内容がだいぶ違う。

面白いけど、俺が神様だったら耳塞ぎたくなるな。




「佐久間さん、見て見て！」

「えっ！？大吉じゃん！」




ちょこっと誤魔化したけど、俺が神様にお願いしたのはもっと単純なこと。




阿部ちゃんと康二、宮舘家も岩本家も、みんなが健康で楽しく過ごせますように。みたいな！

運も実力…？1*ab→←バケツの帽子を被せましょ！*sk

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