ホットコーヒー、ミルク入れて!3*sk ページ12
先生は背の高いイケメンで、阿部ちゃんが学校で友達も多くて誰にでも優しく、成績も総合1位でとても優秀だと話してくれた。
めちゃくちゃ頭のいい学校で成績1位って、阿部ちゃんすごいんだなぁ。
「あべちゃん、ココアのむ!おゆわかして!」
「あっ、待って康二!コンロは危ないから!」
しばらくマリオで遊んでいた康二が、キッチンへ走り出した。
阿部ちゃんは慌ててその後を追い、リビングに先生とふたりになる。
「…佐久間さん、失礼を承知でお伺いするんですけど。阿部くんを引き取った理由というのは…」
言いづらそうに口を開く先生。
どこから話せばいいのかはわからないけど、そもそも阿部ちゃんは施設の話を先生にしてたのかな?
「阿部ちゃ……亮平、が…施設でどういう扱いを受けてたかはご存知ですか?」
「施設で?いえ、とくに聞いてません」
「…やっぱりお話してなかったんですね」
「何か問題が?」
「僕の口からお話するのもアレなので…問題があった、とは言っておきます。その問題に気付いた僕の友人が、亮平と康二を施設から引き上げました。友人には家庭があるので、僕が何日か預かってたんですけど…もっと一緒に居たいなって思って、正式に僕が引き受けました」
「……なるほど…」
キッチンから楽しそうな声が聞こえる。
最近はふたりとも、よく歌を歌うようになった。
先生はその歌に目を細め、少しだけ考えたあと口を開く。
「阿部くんは人当たりが良くて、宿題も遅らせたこともなく、授業も真面目に受けてます。僕ら教師は…恥ずかしながら、施設での教育が充分なものなのだと思ってました」
「…もともとのご両親がやさしかったとは聞いてます。ご両親みたいにやさしい大人になってくれると思います」
「……そうなんですね。…確かに最近、阿部くんの雰囲気は変わったような気がします。以前に比べて明るくなったというか…気を張っていないというか…」
バタバタと足音が近付いてきて、阿部ちゃんと康二が戻ってきた。
ココア飲むって言ってたけど、ふたりとも手にはなにも持ってない。
「さっくん!ココアがないで!」
「こないだ買い物行った時買ったと思うんですけど、佐久間さん粉末だけ食べました?」
「阿部ちゃん俺のことなんだと思ってるの?」
「ふふ、っあははは!」
俺たちのやり取りに、先生は思い切り笑う。
「なるほど、楽しいご家庭で安心しました。…阿部くん、よかったね」
「…へ?あ、はい…?」
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです!よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように!続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます!子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます!宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:谷森山 | 作成日時:2023年11月1日 1時