11*S ページ11
ふたりが連れてこられたのは、王宮の地下の更に下。
牢獄、といったところか。
街人たちは相当怒っているようで、冷たい牢屋にふたりを放り込むと唾を吐いた。
みんな思いつくだけの暴言罵倒を吐き出して、宏光とガヤさんを睨み下しながら去っていった。
「…めちゃくちゃ信頼されてんだな、オーサマは」
「……北山、また俺のせいで…ごめん、ほんとに……」
ガヤさんは泣いてしまいそうだった。
歩いてる途中で着けられた腕の鎖をガチャガチャと鳴らしながら、宏光はその顔を覗き込む。
「ばか。お前のせいじゃないだろ。…それに、もともと王宮に入らなきゃ会えなかったし。玉って奴に」
結果オーライ。と言って笑う宏光を見て、ガヤさんは堪えきれずに泣き出してしまった。
…しんどいよね。
俺が、もっと強い魔法を使えたら。
ふたりは今頃、こんなに苦しんでいないはずなのに。
自分の不甲斐なさを嘆いても仕方がない。
街人たちに見つからないよう咄嗟にかけた、透明になる魔法を解く。
宏光は肩を震わせるガヤさんの背中をさすりながら、俺を見つけてハッとした。
「千賀！お前見てたなら助けろよ！」
「ごめんごめん。一応、人間にかけていい魔法は主人の願いだけって決まってるからさ」
「…じゃ、俺が助けろって言わなかったから助けなかったんだ？」
「…怒んないでよ」
「へーえ。ふーん」
水色のちいさな体を、硬い檻の間から滑り込ませる。
得意のローラースケートでふたりの元まで辿り着けば、座り込むガヤさんの膝にちょんと乗り上げた。
「…っ、健永……あ、その姿かわいい…」
ガヤさんはまだ涙声だけど、俺の本体が気に入ってるみたい。
ちょっとだけ微笑んでくれた事に満足して、そのまま人の形になった。
本体はコロンとガヤさんの膝に転がった。
「魔法で助けるのはお願いされなきゃだめだけど、手だけでなら俺の意思で助けられるから」
手で鎖を切るのは無理だから、巻きついた鎖を解いていくことにした。
ここでこれを切るための道具を出したり、手の力を強化したりするのは、助ける事に直結するからNGだ。
俺の力だけで、なんとかふたりを助け出さなきゃ。
「……ごめん、ふたりとも…ごめん……」
ガヤさんが責任と不安で潰されてしまう前に、なんとしても玉に会いに行かなきゃ。
主人である宏光の、こんな痛々しい表情も見たくない。
近付いてくる足音にも気付かずに、必死で鎖を引っ張った。
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桐山ななみ(プロフ) - わったーの悪役最高♡♡♡♡♡(*´ω｀)キタヤンがマジでどうなるか気になる汗ニカ千も汗すごーく続きが気になります！！無理しなくていいので頑張ってください！！ (3月12日 6時) (
レス) @page20 id: c060af3ed8 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - キスマイさん» お久しぶりです！色々お話がある中で新たに連載すみません(._.)丁寧に作っていきたいと思ってますので、ぜひ最後までお付き合いくださればと思います！よろしくお願いします(*^^*) (2018年8月10日 4時) (レス) id: 9b9168131d (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - こんばんは。久しぶりに谷森山さんのお話を読めて嬉しいです。千ちゃんと宏光の優しいやりとりに胸がぎゅっとなりました。宏光の願い事がとても気になります。ここからどうニカ千が出会うのか今後も楽しみです。これからも応援しています。 (2018年7月24日 23時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
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