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悪魔と神*3 ページ25

宮田さんは、暗い森の中をひたすら走ります。

溢れてくる涙は、止まることを知りません。


(…なんで、なんで俺が……っ)


しばらく走ると、満月が水面に映る湖の畔へたどり着きました。

走り続けた体はクタクタに疲れており、宮田さんは吸い寄せられるように湖へ近付きます。

満月と星空が反射する水面に頭ごと突っ込むと、冷たい水は汗や涙と一緒に、悲しさも洗い流してくれるような気持ちになりました。


『…はぁ』


髪から滴る雫は、反射する宮田さんの顔に落ち、ちいさな波になります。

それをしばらく眺めていると、波で歪む自分の顔が、明らかに怪しく笑っているのに気がつきました。


『…っうわぁ!?』


宮田さんが驚いて飛び退くと、水面からはちいさく泡が立ち始め、やがてどんどん大きく、遂には大きな水柱が立ちます。


『な、なに!?』

“…そうだよねぇ、大人って…汚いよねぇ”


水柱から聞こえてきた声は、宮田さんに届くと同時に星空を真っ黒な闇に包みました。

一瞬にして暗闇に包まれた宮田さんは、逃げることもできずにその場に腰を抜かします。


“ねぇ、俊哉。あの子が、ほしいんだろ?”

『…えっ』

“神の力を持つ、あの子が”


暗闇に映し出されたのは、すやすやと眠る玉森さん。

宮田さんは思わず手を伸ばしかけると、慌てて首を振りました。


『だっ誰だ!?なんで俺の名前を…!?』

“やだなぁ。生まれた時から、俺たち一心同体じゃん?”

『…っまさか…』


その時、宮田さんの両手から黒い魔力が溢れます。

魔力は水柱に巻きつき、真っ赤な瞳がひとつ浮かびました。


『…お前が、悪魔…』

“俊哉、お前の願いは俺の願いだよ。…俺が叶えてやる。……だから、”


言葉尻に被せて、宮田さんの胸を鋭い魔力が貫きます。

痛みは感じないのに、確かに貫かれた感触。

理解ができずに、宮田さんは悪魔を見上げました。


“交代しよう?”


宮田さんの意識は、そこで途絶えました。

倒れ込んだその体を支えると、悪魔はにやりと笑いました。


“今までお前の意識下でじっとしてたけど、今度は逆。俺が願いを叶えてあげるから、体は使わせてよ”


悪魔は自らを宮田さんの体に入れ込むと、周囲は闇が晴れ、湖には満月が戻ります。

宮田さんはゆっくり起き上がり、静かに瞳を開きました。


その瞳は、悪魔の真っ赤なそれと同じ。


『神の力は、俺がもらうよ』


そうして、宮田さんの体を使った悪魔は、玉森さんを探す旅に出たのです。

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桐山ななみ(プロフ) - こんにちは!とても面白いです!キスマイのファンの私にたまらなく好きです!特に悪役のみやっちにはもうドキドキが止まらなくハマり興奮しました笑最後どうなるか気になります!続きを待っております! (10月3日 8時) (レス) id: 034e0a3f60 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - すみません(汗)今気づいたのですが「もしもし、あなた」の作者さんなんですね?!私、「もしもし、あなた」が(ほかの作者さんには失礼ですが)占ツクの中で一番素晴らしい小説だと信じております!そちらの更新も楽しみにお待ちしております♪(´ε` ) (2017年1月8日 9時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 千ちゃん(泣)涙が止まりません(←ガチです。)なんて優しいの?・・・作者様の文才に感動!素晴らしいですね(((o(*゚▽゚*)o)))更新頑張ってください(=゚ω゚)ノ (2017年1月8日 8時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - こんばんは!設定にとても惹きつけられ夢中で読ませて頂きました。宮田くんには闇の部分を感じることがあったりしていたので、過去も含め魔王ミヤタから目が離せません。これからもとても楽しみにしています。 (2016年6月11日 20時) (レス) id: ecf182a48a (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - 七星さん» うふふ、宮玉要素はまだ焦らしますよ〜(笑)宮田さんはもう少し後に出てきますので、それまでどうなるのか予想してみてくださいね(*^o^*)笑 (2016年2月1日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:谷森山 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年1月4日 4時

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