聖夜の短編集

ｸﾘｽﾏｽももふもふ日誌！2*Y ページ2

「たいすけは？」

『んー…』


たいすけは小さく首を傾げると、難しい顔をして考え込んだ。

しばらくしてぱっと顔を上げると、嬉しそうに声を出す。



『たいちゃんとひろみつくん！』



…理解が遅れたけど、聞き間違いじゃないよね？

太輔と宏光って言ったよね？

それﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄに欲しいものって解釈じゃないよね？


『さいきんあってないから、いっしょにあそびたいなぁ…』

「そうだね、じゃあｸﾘｽﾏｽﾊﾟｰﾃｨにはふたりも呼ぼうか」

『ほんとっ！？』

「うん、だからｻﾝﾀさんにお願いする物は他に決め…」

『わーい！わーい！たいちゃんとひろみつくんにあえる！』

「…あの、たいすけ…」

『いぇーい！ひゃっふー！』

「たい…」

『さんたくろーすいずかみーんぐとぅーたーうん♪！！！！』


…だめだこりゃ。

じゃあせめて、太輔と宏光にはたいすけへささやかなﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを用意してもらおう。


太輔に連絡するとすぐに快諾の返事が来た。

どうやらﾍﾞﾙとﾎﾟｯｷｰも一緒に来るみたい。

はしゃぐ動物たちが可愛くて、宮田と顔を見合わせて微笑んだ。









迎えたｸﾘｽﾏｽﾊﾟｰﾃｨ当日。

朝は早くからこっそりﾂﾘｰの前にﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを置いた。

怪しまれるといけないから、一応俺と宮田の分も。

いつもよりゆっくり目に動物たちを起こして、ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを見せた。


『さんたさん、きた！』

『ほんとに、ねてるあいだにきたんだね！ぜんぜん、きづかなかった！』

「ふふ、みんないい子にしてたからね。ちゃんとｻﾝﾀさん来てくれたね」


はしゃいでいたらﾆｶたちも来て、飾り付けや料理の準備をしていると太輔と宏光も来た。


『たいちゃん、ひろみつくん！』

「たいすけくん〜！久しぶりっ！」


ふたりを見つけるとたいすけは駆け出し、宏光の胸に飛び込む。

宏光は両手を広げてそれを受け入れると、ぎゅっと抱きしめて頬摺りした。


「渉ごめん、遅くなって」

「全然かまわないよ、なんならまだ用意できてないし」

「手伝うよ、何すればいい？」

「えっ、太輔不器用だからいいよ(笑)」

「ちょ(笑)」

『あ〜！！ﾍﾞﾙのひろくんとっちゃだめなの〜！！』

『ﾍﾞﾙちゃん、ひろみつはﾍﾞﾙちゃんのものじゃないよ…』


足元で駆け回るﾍﾞﾙちゃんとﾎﾟｯｷｰ。

太輔はふたりを抱き上げると、飾り付けしてる健永たちのところへ向かっていった。


…さて、役者は揃ったし。


最高のﾊﾟｰﾃｨにしますか！！

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