聖夜の短編集

ｸﾘｽﾏｽももふもふ日誌！1*Y ページ1

『じんぐっべーじんぐっべー、すっずっがーなるー♪』

『さんたくろーすいずかみーんぐとぅーたーうん♪』

『うぃーうぃっしゅあめりくりすます、うぃーうぃっしゅあめりくりすます♪』


思い思いの歌が聞こえる。

大きなｸﾘｽﾏｽﾂﾘｰをみんなで飾って、気分はどんどん浮かれていく。



まんまるいｵｰﾅﾒﾝﾄを、ﾂﾘｰを駆け回りながらﾙﾝﾙﾝで飾るみつ。

小さなﾍﾞﾙを、ぴょんぴょん飛び跳ねながら飾るたいすけ。

ふわふわの綿を千切りながら、よちよち歩いて飾るたま。


『ひゃっほーぃ！』

「うわぁっ、みつ！」


丸いｵｰﾅﾒﾝﾄの上に乗って駆け回るみつは、まるでｻｰｶｽ団員の玉乗りみたい。

そのままﾆｶに突進すると、ﾆｶは慌てて落ちないよう手をわたわたさせた。


『えんどはっぴーにゅーいやー♪』

「たま？…あれ、たま？どこ行ったの？！たま！」


そのふわふわな体が綿に埋もれて、姿が見えなくなるたま。

陽気な歌声は聞こえるけど、姿が確認できなくなったことに慌てだした宮田。


『けんと、うえのほしかざりたい！』

「ん、OK。…よいしょ、届く？がやさん」

『うん！』


ほんわか楽しそうにﾂﾘｰを飾るたいすけと健永。

頂点に飾られた星がきらりと光って、その仕上がりにみんなは満足そうに微笑んだ。



「さぁみんな、ｻﾝﾀさんには何をお願いする？」


出来れば予算内に買えるもので、と祈りながらも、動物たちの要望を聞いてみた。

…とは言ってもぶっちゃけ、ﾆｶと健永もまだｻﾝﾀさんを信じてる。

だから用意するのは、俺と宮田の役割。


『んっとね、もうふ！』

「毛布？みつ、そんなに寒がりさんだった？」


『んーん、おれじゃないよ。せんが、さいきんりょうてこすって、さむいーっていってるから。りょうてにかける、もうふ！』




「…うっ」

「健永、泣くなよ」

「だって…」


両手にかける毛布なんてないけど、たぶん手袋の意味合いだろうな。

ｻﾝﾀさんにくらい自分のほしいものお願いすればいいのに…みつは本当に優しい。


「たまは？」

『んー…おれはね、ひふ』

「………皮膚？」


それはちょっと無理があるんじゃ…



『にか、みずさわったあと、ゆびぼろぼろになっちゃうから。ぼろぼろにならない、むてきのひふ！』


「…うっ」

「ﾆｶ、泣くなよ」

「だって…」


ﾆｶにはﾊﾝﾄﾞｸﾘｰﾑもﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄに入れておこう。

たまが望むような、無敵の皮膚になるかはわからないけど。

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